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禁じられた恋と性
【女性向け 官能小説】

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禁じられた恋と性 ( 6 )-3

午後のその店の中は、あまり客はいなかった。
私はそこに来るときに休日なので少しラフな格好していた。
平日ではないので、きちんとした背広姿もおかしいと思ったからである。

本当はパリッとした服装で行きたかった。
見劣りした姿をトモミの母親に見られたくなかったからだ。

(こんな中年の男に大事な娘を好きにさせるのは許せない)
と思われるのが嫌だったからだ。
だが、仕事でもないので、その服装に思いついたのだ。

トモミが書いた簡単な地図を頼りにその場所に私がやってきた。
少しドキドキしていた。こんな気持ちになるのも久しぶりである。

洒落たその喫茶店は明るく広くかった。
私は戸惑いながらあたりを見回し、
すでに来ていると思いながらトモミの母親を探した。

(まだ来てないのかな)と思い、
何気なく窓際を見てみると着物を着た一人の女性が座っていた。
ひょっとしてこの人かな? 私は思った。
それは垢抜けし、落ち着いた感じの美しい女性だったからだ。

彼女は私に気がついたらしく、座っていた椅子から立ち上がりお辞儀をした。
私が思っていたよりも、穏やかな感じの女性であり少し安心した。
私は意識してゆっくりと近づき、そのテーブルの前に行って彼女に挨拶をした。

「お待たせして申し訳ありません、江梨子さんですよね」
「はい、わたくしも少しばかり前に来ただけですので」
「そうですか、では失礼します」

そう言って私は彼女の前のテーブルの椅子に座った。
すぐにウェイトレスがコップに水を持ってやってきた。

「あの、私はレモンティーにしますが、貴女はどうしますか?」
「では、私も同じものを……」

彼女はさりげなく微笑みながら私を見て言った、
その顔には優しさと品の良さが感じられる。
私が想像していた女性とは違って意外だった。
髪もきちんと結ってある。
どこかに、心の中でほっとしている自分がいる。

「わかりました。では少々待ちください」
ウェイトレスは注文をとって厨房に入っていった。

思いの外、着物を着ているトモミの母親は落ち着いてみえた。
少し汗ばんだ時期なので、裏地のない薄い単衣の着物を着ていた。

それが、昼過ぎの店のなかでは映えている。
それは計算してきた結果だろうか。
やはり客商売をしているからに違いない。
この雰囲気は普通の主婦にはなかなかできないだろうと私は思った。

私は心の中で思っていた、もしトモミの母親が野暮な姿で現れたらどうしよう。
いきなり罵倒され、それを皆に見られたらどうしようか、と思っていた。
しかし、それは杞憂だった。

彼女を見てみると、やはり、どこかトモミと似ているところがある。
一人娘の相手をするような男に、いきなり非難するようには見えなかった。
落ち着いた雰囲気からは、大人の女性を感じさせている。
私はほっとした。
しかし、問題はこれからである。

しばらくして、テーブルの上にレモンティーが二つ運ばれてきた。
肝心の話をするのはそれからである。

それまでしばらくレモンティーを飲みながら二人は沈黙を保っていた。
彼女はときどきハンカチに触れながら下を向いている。

立場上、私がその場を取り仕切ることができなかった。
しばらく、彼女の言葉を待っていた。
沈黙が続き、このままでは進まない、と私は決心をした。
レモンティーで唇を少し潤してから私が話を切り出した。

「あの……トモミさんの友達でアヤカの父親です」
「はい、もちろん存じておりますわ、江梨子と申します」
「もうご存知だと思いますが、このようないい歳をして貴女の娘さんと……」

私はどのようにしてこの話題を切り出そうかと迷っていたが、
その先が続かなかった。
少し沈黙が続いた後、彼女が話しかけてきた。

「はい、私も娘からそれを聞いたときにはショックでした。
でも、ホテルへ誘ったのは娘だと聞いていますので、一方的には……」

「はい、あの日は急な雨降りでしたので……」
「ずぶ濡れの娘を助けていただいたのは感謝しています」
「そうですか」




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