純白の蝶は羽ばたいて(美少女、処女)-7
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「男の一人暮らしにしては、って言いたいところだけど、初めてだから正直分からないわ」
そう言って悠香は不器用に笑った。
ゲームセンターで再会を果たした二人は、達也の部屋へと向かった。彼に握り締められた悠香の手はずっと震えていた。
「片付いている方だ、って言われたことはあるよ」
誰に、とは訊かないで、悠香は達也にしがみついた。
「越早祥治っていう、会社の後輩さ。時々来るんだ。悠香ちゃんと再会できたのもそいつのおかげなんだよ」
達也の顔を見上げて膨れっつらをしている悠香の両頬を、彼は手のひらで挟んだ。無言で瞳を見つめる。耳の所から、髪に指を差し入れた。悠香はくすぐったそうに肩をすぼめて目を閉じた。そっと口づける。
ぷるん、と弾力のある柔らかな唇は少し湿っていた。達也が唇を静かに這わせると、悠香は切なげな吐息を漏らして脱力した。唇を合わせたまま抱きしめると、彼女はそれに応じて彼の背中に手を回した。空調のノイズだけが、動くもののない部屋の中で延々と流れていく。
やがて達也は体を離し、悠香の胸元の大きなリボンに手を掛けた。その手を悠香が掴む。そして彼女は自分でリボンを解き、パサリ、と床に落とした。続いて制服の半袖ブラウスの第一ボタンに指を絡ませたが、震えてしまってうまく外せない。
「無理するなよ、悠香ちゃん。任せてくれればいいからさ」
彼女は一瞬だけ残念そうな目をしたが、ほっとしたように手を下ろし、俯いた。達也の手がその胸元に伸びる。悠香が身を固くする気配を感じつつ、第一ボタンを外した。透き通るように白い肌が、オレンジ色のLED電球に照らされた。そこは少し汗ばんでいて、酸味を含んだ甘い香りが微かに広がった。
第二ボタンが外されると、極めて淡い水色のブラが姿を現わした。胸の谷間は意外に深い。残りのボタンが全て外され、ブラウスがスカートから引き出された。片方ずつ腕を抜いてそれを脱がせると、達也はもう一度悠香を抱きしめた。素肌の彼女を腕の中に感じながら、小さな頭に頬ずりをした。
背中に這わせた手でブラのホックを摘まんで弾けさせると、それは力を失ったようにフワリと浮いた。肩紐だけでぶら下がっている状態だ。達也は抱きしめていた手を放し、一歩下がった。そして、どこまでも深く澄んだ悠香の瞳を見つめながら、ブラの下の縁をつまみ、ゆっくりと捲り上げていった。悠香はそれを阻止しようとして伸ばした手を、躊躇いながらも下ろした。ブラが捲られていく。産毛の浮いた若い肌の大きな胸の膨らみが、徐々にその全貌を現わしていくに従って、悠香は視線を斜め下に泳がせ、頬を染めていった。
ブラが完全に捲り上げられた。悠香は反射的に胸の膨らみを手で隠そうとしたが、宙を掴んで堪えた。達也の一人暮らしの部屋の中で揺れる、悠香の白い乳房。それは特別に大きいというわけではないが、けして小さくはなかった。緊張のためか恥じらいなのか、その表面には薄く鳥肌が立っている。
ほのかに色づいた小さめの乳輪と、それに支えられて勃つ桜色の乳首を見つめながら、達也はブラの肩紐を外した。何も身につけていない悠香の上半身は、どこまでも白く滑らかで、女らしい柔らかな曲線のみで構成されていた。しっかりと膨らんだ乳房、急激に絞り込まれているウェスト、そして一気に張り出した腰骨。制服の中に閉じ込められていた、メリハリの利いたS字ラインは今、本来の姿を包み隠さず曝け出している。
達也は指先でウェストの素肌に触れた。温かな若い肌が指を柔らかく受け入れ、悠香が小さく身を捩る。指先はそのまま上昇し、左の乳房を撫で上げた。プルン、と白い膨らみが重く揺れて、彼女の瞳に潤いが流れた。
乳輪の縁を指がなぞるように周回を始めると、悠香の呼吸が徐々に速くなっていった。小さく縮こまっていた乳首がムクムクと膨らみ、ギュッと収縮するように固くなった。その先端は、待ちわびるように腫れぼったく赤味を増して、今にも何かが吹き出しそうに見える。不思議なことに、触っていない右の乳首も同様の反応を示していた。
手ですっぽりと包み込むように乳房を揉み上げると、悠香の呼吸は更に乱れた。手のひらの中央にぽっちりと乳首を感じながらじっくりと揉み込んでいく。顔を歪め、必死に堪える悠香。
達也は空いている右の乳房に顔を近づけ、唇で乳首を挟んだ。そして軽く吸う。
「ん……」
悠香はついに熱い吐息を漏らした。そのことに自分で気付くと、彼女は恥じらうように達也の頭を自分から離そうとした。しかしそれは、更に強く乳首を吸われる結果となった。
「んん……」
唇で乳首を咥えたまま、その先端にそっと舌を這わせると、耐えきれないとばかりに悠香は身を捩った。
「ああっ……」
可愛らしい唇の間から、目覚めの時を迎えようとしている女の情欲が零れ出た。
唇と手のひらを悠香から離すと、達也は彼女に囁きかけた。
「悠香ちゃん、感じるんだね。僕に胸を触られて、感じているんだね」
唇を噛んで視線を逸らす悠香。その頬は赤く染まっている。始めて経験する敏感な部分への刺激、そして始めて感じた女の悦楽。そんな自分の反応に戸惑い、恥じらい、悠香は返答が出来ない。しかし、その目に迷いはなかった。
「これが大人に、大人の女になるということなのね、達也さん」
そう言って彼女は、制服であるチェック柄プリーツスカートのホックを外し、ファスナーを引き下げた。達也を上目遣いに見つめる。大きく肩を揺らせて呼吸しながら目を閉じた。そして、手を離した。スカートは、フワリ、と床に落ちた。
「達也さん、私を、女にして……」