調教物語(その15)-1
或る寂れた街の商店街の一角にある魚屋の 主人の健は、
突然降ってわいたような幸運に心ときめいていた。
この商店街にふらりとやってきたカップルがいる。
その風貌からして、
二人はとてもこのような場所に来るようには見えなかった。
それというのも、男はキリリとした精悍な身体と、美顔であり、
それに連れ添っている女は、
今まで見たことないような絶世の美人だからである。
女は美しいだけでなく、
その体のプロポーションは目を見張るものがある。
健の妻の輝子も豊満な肉体をしており、魚屋の妻とは思えないほど、
客や商店街の仲間たちからも人気があった。
しかし、輝子の夫である自分は夜の生活では、
到底この欲求不満の妻の相手をすることに閉口していた。
健に性的な要求がなくなったのかと言うとそれは違う。
飽くなき妻の性的な要求にうんざりしていたからである。
故に仲の良い商店主たちと連れ立って繰り出す歓楽地では、
人が変わったように精力的になり、女を買う。
この間、健達が歓楽地に繰り出した時であり、平太郎も一緒だった。
その店で若くはないが、綺麗な女を指名した時である。
まだ新人らしく慣れていない感じの女だった。
その店ではセックスは禁止されたいた、女は承知していたが
健はその日はやたらに性的な欲求が強かったのだ。
妻の輝子に対する反動かも知れない。
個室に入ると言葉巧みに女をその気にさせたのだ。
女のサービスとしては、ソフトタッチで触らせたり、ペニスをしごいたり
せいぜい、穴に指を入れさせる程度である。
妻とは接触していないが、
数々の女と交わってそれなりにテクニックを身につけていたのだ。
いつのまにか、女を全裸にしていた。フェラチオをさせ
バックで犯した時には女は登り詰め、昇天した。
「お客さん、こんなに気持ち良かったの初めてです」
と女に言わせたのは嬉しかった。
それ以来の興奮だった。
しかし、今目の前にいる優子と言う女は、
今までに健が見てきた女の中で、これほどの女は記憶にない。
どこから見ても非の打ち所がないほど、完璧に見えた。
妻の優子と違うところは、
女らしさ上品さと言うことになるのだろうか。
その女をはじめに見たときは、
店先でしゃがみ込み体の具合が悪そうに見えたが、
実はそうではなかった。
仲間たちと申し合わせて自治会館に連れてきて、
ようやくそのことの理解ができた。
美しい女は体の具合が悪いのではなく、
股間にバイブレーターが突き刺さっていて逝きそうだったからである。
それをさせたのは女を連れていた研二郎と言う男だったが、
この男は女を痛めつけることを生きがいにしているらしい。
こういうことをSMの世界と言うのだろう。