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俺は他人棒
【熟女/人妻 官能小説】

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片山未来(25)・清原珠理(24)-5

 未来は緊張のためか、ケツをひっぱたかれて感じているためか、よく分からないが色っぽい表情をしていた。
「あ、あのね……わたし、修平さんと、別れます」
 パーテーションの外に聞こえないようにと思ってなのか、小さな声で未来は言った。
 それでも修平氏の耳には確かに届いたようだ。
 陸に上がった魚みたくパクパクして言葉も出ない様子の修平氏。そこへ追い討ちをかけるように未来は、
「この人……寿亮介さんと結婚したいから、さ……サインお願いします」
 肩に提げたバッグから紙片を取り出し、デスクに置いた。
 見るまでもなく、それが離婚届で、既に未来の署名がなされていることは明らかだった。
 修平氏は呼吸困難が進行してか、それとも怒りのためなのかは定かではないが、顔を真っ赤にしてさらにパクパクした。
「そういうことなんで……」
 俺は、立っているのもやっとというくらい脚をプルプルさせている未来の腰に手を回した。
「今日から未来は帰らないと思うんで、その書類、俺の家に郵送して下さい。これ、置いときますんで」
 懐から名刺を取り出し、離婚届の上に置いた。
 そしてゆっくり背を向け、未来を伴い修平氏の前から姿を消す──

 ここからの展開は、何パターンかシミュレーションしてあった。
 出来れば最も避けたいと思っていたケースが実現してしまった。
 頭に血が昇りきった修平氏は、デスクにぶつかりながら俺たちのほうへと迫り、俺の肩を力任せに引いて振り向かせた。
 修平氏に顔を向けたというより向けさせられた俺が視界の端に捉えたのは、迫りくる拳。
 冷静さを欠いた我武者羅なパンチを見切るのは容易だった。俺は首の筋肉の力を抜き、ことさら大袈裟に吹っ飛んで衝撃を受け流した。
 それでも、鍛えている大の男のパワーは馬鹿にならない。若干ドタマがぐわんぐわん鳴り響き、全身の力が抜けた。
 パーテーションをぶっ倒しての暴力沙汰にオフィス内は静まり返った。
 カッとしていた修平氏を萎えさせたのは、そんな「世間体」もあろう。しかし一番デカかった要因は、間髪入れずに未来が俺を庇って抱き締めたことだろう。
 雌を争う雄の闘い、その勝敗はここに決していた。
「失礼します」
 俺はクラクラしつつも立ち上がり、不敵に笑んで修平氏に別れを告げた。
 逃げも隠れもしない。実住所を記した名刺を残してある。
 刃物でも持って斬り込みに来たけりゃ来るがいい。それはお前さんの恥を上塗りする結果にしかならないんだぞ──。言外にそうプレッシャーをかけるかのように。


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