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俺は他人棒
【熟女/人妻 官能小説】

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片山未来(25)・谷山萌(18)そして尾野上冴(45)-12

 変な感じだった。
 さんざん淫らな行いを重ねた仲なのに、顔を見合わせるのも嬉し恥ずかし、血がざわめくような新鮮な気持ち。
 店内の暖房が効きすぎているように思えるのは、体温が上がっているからなのか。
 未来も同様とみえ、羽織っていたトップスのジージャンを脱いで眩しいノースリーブ姿になった。汗ばんでいるであろう腋をベロベロしゃぶりたいところだが、さすがに人目いっぱいのファミレスでそんな真似も出来ない。
「ごめんね」
「俺こそ、悪かったと思ってる」
 てんで俺らしくない。
 そう思いつつ、未来を前にすると、人並みな純情男みたいな態度になってしまう。
 やっぱり、こいつに心底惚れちまってるのかな、と内心で苦笑いが絶えない。

 あの「修羅場」は、萌が動いて鎮火に当たった。
 俺の種を孕んだと聞くや、萌の奴、まるで我がことのように真剣になって未来のもとへ謝りに走ったのである。
 未来もさぞかし驚いたことだろう。
 だが、おかげで俺はお咎めなしみたいな扱いになったし、言い訳ひとつしなかったのが却って株を上げた感があった。
 一切の責めは自分にある、と女のくせに漢気溢れる「自供」をしてのけた萌にも、未来は怒れなくなってしまった。
 俺が手当り次第ヤリまくりの無節操男なのはあらかじめ分かっていることでもあるし、誰もが誰かを責められる筋合いはない──というのが、未来が諦め半分に導き出した結論だった。

 俺は快楽を求める人妻ファッカー。
 萌はヤリサー狂いの肉便器。
 未来とて夫のある身で他人棒に転んでしまうビッチには違いない。
 だが──。
 今や、俺は自信を持って言い切れる。
 俺は未来に特別な感情を抱いてしまっている。
 これまで通り、都合のいいときだけヤレるセフレ関係でいようぜ、などとは口が裂けても言えない。

「真面目な話なんだけど、笑わないで聞いてくれる?」
 俺は顔が熱くなるのを感じつつ、未来としっかり視線を合わせて言った。
「ある知り合い──とかボカした言い方するのも卑怯かな。セフレのひとりなんだけど、その人から就職の話を持ちかけられて、俺はそれを受けようと思ってる」
 眼をパチクリさせて未来は見返した。
 気楽なフリーター暮らしで、それなりに稼げている。拘束されることなく俺は俺の都合で動き、享楽主義のセックス三昧暮らしを死ぬまで続けるつもりだ──。
 俺のスタンスは以前に話したことがあった。
 それを聞かされている身である未来としては、耳を疑いたくなるのも無理のないことだ。


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