あなたは皆と‥‥。(9)-3
気持ちの整理がついたわけでは必ずしもなかったが、この肝心な好機を逃すべきではないと告げる本能に、あなたは素直に従うことにした。
あなたは紅香の左の乳房にそっと触れ、彼女を小さく喘がせた。そして顔を近づけると、そこであなたを待ち受けている可憐な蕾にそっと口づけをして、彼女を大きく喘がせたのだった。
ゆったりとした時間が、流れていた。ベッド上で、紅香は聞いてきた。
「海田くん、きっと、お姉ちゃんたち――いえ、わたしたちのことで、いやな思いもしたでしょ?」
「そ、そんなことは、別に‥‥」
あなたは言いよどんだ。本当は、そんなこと、ある。充分に。特に白香には。
しかし、それをいまここで紅香に言うのは、ためらわれた。
「うふ♡ 海田くんて、優しい人だね‥‥」
「‥‥‥‥」
紅香の深い瞳に、あなたが答えられないでいると、彼女は、
「うふ‥‥」
とはにかんだ笑顔を見せ、そして徐々に頬を染めつつ、言ってきた。
「わたしのこのおっぱい‥‥。海田くんの好きなような弄って‥‥」
「――‥‥」
「わたしのオッパイに、海田くんの思いをぶつけて‥‥。思いきり乱暴に、揉みしだいて‥‥」
そこまで言われると、あなたはそうしないわけにはいかなかった。彼女の上に覆いかぶさるような体勢になった。そして、握力を込めて、ぐいっ、ぐいっ、と揉みこんでゆく。するとその度、
「ひああああンっ‥‥! ――はふんっ、はふううんっ♡」
と、あなたの紅香は大きく喘いだ。しかしまた同時に、その彼女のボリュームある双乳は、艶かしくも素晴らしい弾力をあなたの掌に返してきたのだった。それは、彼女の悦びを示していた。――もちろん、少年のあなたの下半身は、反応していた。
「いいっ。いいいっ‥‥! わたしのち‥‥ち、ち、ちーにく――‥‥」
紅香は、あるていど言葉を用意してきたのかもしれなかった。みるみる顔を上気させ、やがて真っ赤になりながらも、
「――ちっ、ち‥‥ちちっ、乳に‥‥く――乳肉ぅっ! ‥‥に、海田くんの指を思いっきり――食い込ませてえええっ‥‥!」
と、恥も外聞もない嬌声をあげたのだった。
(少し、強く揉みすぎかな‥‥)
という、あなたの少年らしい逡巡は、それにより掻き消された。