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「親友の妻」
【熟女/人妻 官能小説】

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M専務の不正-1

 まず3年前と3年後で大きく変わった点を調べた。
下請け業者の2社の利益率が極端に落ちている。
この2社はかっては死んだ松田常務の管轄だったが死後大久保専務に任された会社だ。
発注量も増えているがすべて専務の一存で発注が決められている。
相見積もりを取った形跡もない。
社長が言うように利益が漏れているとしたら下っ端の社員には無理だろう。
健太郎は会社の上層部にその原因があるとにらんでいた。
真っ先に調べた大久保専務に黒い臭いを感じた。そしてその下請け会社の社長を訪ねた。
その社長はエスカレートしていく専務の要求に辟易としていた。
専務は5億5千万円の見積もりに対して6億の発注書を発行したのだ。
その代わり3千万円のキックバックを要求したのだった。
だから最初は黒い利益も折半で仲間意識さえあった。
それがいつしか黒い利益の全部が専務の取り分となり今回はそれ以上を要求してきたのだ。
さすがに下請社長はそれを拒否したがこれに対し専務は注文を止めてしまったのだ。
健太郎の「正直にすべてを明かすなら再取引出来るように計らう」と言う話に飛びついた。
勿論健太郎に取引先を決める権限などあるはずがないのだが社長は自白し始めた。
幸い最初の時に3千万円の領収書を取っていたのが決め手になった。
専務も領収書の発行には抵抗したが相手も2千万円の不当利益を得たため「いざという時の保険だ。」
と言われれば同じ穴の狢としては発行せざるを得なかったのだ。
社長とともにこの会社を立ち上げ発展に大きく寄与した専務の不正を社長に報告するのは抵抗があった。
松田社長が嘆くのが目に見えていたからだ。
「大杉君どうだろう、その領収書5千万円で僕に売ってくれないか?君の望みは何でも叶えるよ。」
大久保専務も必死だった。
「もう二度としないよ。社内で知っているのは俺と君だけだ。穏便に済ませてくれないか。」
健太郎は迷った挙句、恵美さんに相談した。
「大杉君見直したわ。望みは何でも叶えると言った専務の言葉になびかなかったのは立派だわ。
社長には私から報告します。」
なぜか嬉しそうに秘書室を出ていく室長を見て山本秘書課長がつぶやいた。
「これで田所営業部長の専務昇格は決定的だわ。」
しかしこれで健太郎の仕事が終わったわけではない。
次に新しい常務を調べ、部長クラスまで調べたが不正は見つからなかった。
田所部長は特に念入りに調べた。
「君の望みは何でも叶えるよ。」という言葉が聞きたかったからだ。
しかし田所部長は清廉潔白で少しのホコリも出ない。
次は課長クラスの調査に入ろうとした時、恵美さんの調査が未だなのを思い出した。
常務の奥さんで社長の義理の娘だ。不正などあるはずがない。
社長への報告書を完璧にするために一応のチェックを入れた。
経理部のパソコンを開いてもらい恵美さんに関する金の流れを細かく調べた。
恵美さんも夫と同じできれいなものだ。
今日は専務の不正を暴き一定の成果を得たので気持ちよく会社を後にした。


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