あなたは皆と‥‥。(8)-3
特別に優しい光であるとか、そういうものでは、ない。しかし、紅香のスク水のその悩ましいラインの光は、あなたには癒しのそれのように感じられ、じっと見つめた。この光を、彼女以外に対してこのように凝視すれば、あなたはただでは済まないであろう。だがそれはいま、可能であり、あなたさえその気になれば、きっと彼女はお好みのポーズもとってくれるのだ‥‥!
これを幸福と言わずして、何を幸福と言うのか――口に出しはしなかったが、あなたはそう思った。彼女は、きょとんとした表情で、葛藤するあなたを見つめていた。しかしまた、そんな蒲生紅香の少女らしい顔とは裏腹に、ヒップとその周辺もまた、大変なことになっていた。下側から内股の危険な頂点へかけて、紺生地からハミ出した部分に、淫靡な肉皺が走っていた。それらが陰影を見せながら、その危険な部分に向けて、挑発的に刻まれていたのであった。
――こんな姿で、学校とはいえ、プールという公衆の面前に立つというのだ‥‥!
あなたが息を飲んでいると、
「もう‥‥。見るって言ったって、そんなにじろじろ見つめないでよ‥‥。大したことないでしょ‥‥」
そう言って、紅香は照れた笑みを浮かべた。しかし、その紺スク水に包まれた肢体は、そんな言葉やおとなしい顔と裏腹に、少なくとも少年のあなたにとっては充分すぎるほど蠱惑的に輝いていた‥‥。
残念ながら、その姿での身体測定は、叶わなかった。測定自体は、紅香も拒否しなかったのであるが、あの白い身長計が壊れてしまい、修理に出しているというのだった。
(バストサイズ――スリーサイズだけなら、別に要らないじゃないか‥‥)
あなたは常識的にそう思ったが、身体測定は身長も同時に計測するのが蒲生家の常識、ルールであるらしかった。紅香は謝ってくれ、あの身長計が戻ってくれば、
(スク水身体測定――‥‥)
が可能になるかと、あなたの希望をつないだ。
「普通の服、着てくるね」
彼女は、そんなあなたに気を遣ってくれたらしい。恥ずかしそうにそう言って、またあなたに尋ねてきた。
「普通の服と学校の制服、どちらがいい?」
あなたは考えた末、また後者を希望した。さっきも見たが、白香と桃香の雑念に惑わされてしまったからだ。紅香は自分の部屋に消えた。