不破乃里子(32)-9
「何度もそう思ってるけど、なんか可哀想で……あぁんっ!!」
パンツの中に手を突っ込み、びちょびちょのクレバスを撫で上げると、ひときわ高い嬌声が溢れた。
じょりじょりと掌に剛毛の感触が当たった。毛深い女は情も深いってのは、あながち迷信と言い切れない。
「せめて借金綺麗にするまではって……。片づいたら、踏ん切りもつけられるから。そしたら別れるつもりなの……」
自分の責任で負った借金でもないのに、お堅い考え方をするものだ。
正直言って理解不能な精神だが、俺の手技で悶えつつ胸の内を明かしていく乃里子の姿は、実にいじらしく可憐だった。
「で、幾らくらいあんの? その借金……」
指先を侵入させていく毎にとろけていく乃里子のエロ顔を覗き込んで、キスしながら尋ねた。
「元利合わせて三百万くらい……」
おいおい。旦那さん、いくら何でもダメすぎだろ──。
俺は呆れた。
律儀にそれを返す手伝いしてやろうなんて、どこまで都合のいい女だ。
しかし同時に、俺みたいなヤリチンのクズ男にとっても都合のいい女でもある。
多少の札ビラをチラつかせてやったら、どんなことでも許しそうだ。
都合いいことずくめみたいな乃里子が、哀れですらあった。
「ついでにもうひとつ、聞かせて欲しいんだけど」
蜜壺の中をこねくり回され、それどころじゃなさそうな乃里子に、なおも俺は言葉をかけ続けた。
喋る暇があれば俺の舌をしゃぶっていたいという顔の乃里子だが、思い通りにはさせてやらない。
身も心も丸裸にひん剥いてから、初めて行為の本番へと進むのだ。
「な、何……何が聞きたいのぉ」
「ダメ男の旦那さんとは定期的にセックスしてる?」
ずばり問い質すと、乃里子は眉をハの字にして気まずそうな恥じらい顔を見せた。
「し……してる……」
「へえー、もしかして、そのセックスが凄く良かったりする?」
「ど、どうして分かるのっ!」
驚き、それから慌てて目をそむける乃里子。
「乃里子さんみたいにしっかりした人が、そんなダメ男とずるずる別れられないってなったら、理由はそこんとこなんじゃないかなーって。クズみたいな男に限って、ソッチ系の方面では取り柄があったりするからタチ悪いんだよな。まっ、俺も同類なんだけど」
指マンを突然ストップし、抜いた指でクリをにゅるん、と転がした。
「あ、ひっ……!」
ビクリと跳ねた乃里子。その顔の前に愛液べっとりの指を突きつけ、俺は宣言した。
「ダメ男亭主とヤッてるとき以上に感じさせてあげるよ。別れる踏ん切りつけやすいようにしてやるから覚悟しなさいって。こんなドロドロになってるスケベなまんこに、ケタ違いの快感叩き込んであげる」
すり合わせた指をゆっくり開くと、粘っこい本気汁が糸を引いた。
それを見ているだけで乃里子はまたも軽い絶頂に見舞われたようだった。