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俺は他人棒
【熟女/人妻 官能小説】

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不破乃里子(32)-3

「えっへっへぇ、何か悪いね。あたしだけ飲んで」
 と言いつつ、遠慮なしに二杯目のビールをあおる乃里子だ。
 ドライバー宣言していた俺は、ウーロン茶をちびちびと飲みつつ、肴のチャーシューをパクついた。
「で、何なの? いい加減言ってよ。問い詰めたいことがあるとか言ってたでじゃない」
 顔に出やすい性質なのか、早くもほんのり眼元を染めた乃里子は、羽織っていたパーカーを脱いで色っぽい半袖Tシャツ姿になった。
 前々からチェックはしていたものの、改めて近くから見ると、胸の膨らみはなかなかのものだ。
「聞いちゃっていいのかな。乃里子さんの名誉に関わることなんだけど……」
「何それぇ。勿体ぶらないでよ」
「ならズバリ聞くよ。乃里子さん、三万って本当? 次郎さん情報なんだけど……」
 ぶほっ、とギャグみたいに乃里子はビールを噴いた。
 ジョッキ逆流を受けて自滅、咳き込みまくる乃里子だったが、

「ヤダぁ……次郎さん口軽すぎ……」

 何気なく愚痴ったのが真実を語っていた。
「マジな話だったんだ。ねえ、俺も金出せばお願い出来るってこと?」
「うっわ……相当ゲスいこと言ってんの、自分で分かってる?」
 ジト眼ながら、妖しい光を帯びた視線がねっとり絡みついた。
「俺はどうせクズみたいな人間だから、少しも良心の呵責とかないよ? ねえ、マジで乃里子さんとヤレる訳?」
 俺は身を乗り出し、瞳の中を覗き込みさらに尋ねた。
「いくら出す?」
 相手もさるもの、不敵に返してきた。
「抱いてみて値段決める」
 俺はことさら下卑た笑みを作り、舌なめずりした。
「ちなみに一晩は買い切るつもりだから、五万以下の値はつけないつもりだよ?」
 程よく引き締まった肉体は、着衣越しからですら抜群の味が見込める乃里子である。十万と言ってもよかったが、そこは駆け引きというもの。俺は乃里子の出方を窺った。
「じゃあ、前金で五万貰っておく。予想以上なら、追加でくれる?」
 即金要請。やはり借金まみれの口だろうか。
 呆れるほどスムーズに話がつき、俺は財布から五枚の諭吉を差し出すと、早速追加オーダーで俺のぶんのビールを頼んだ。

 愛車レガシィはコインパに停めっぱなしが確定した。
 もっとも、そのために徒歩数分でラブホがあるポイントの居酒屋を選んだのだから、これは想定内の行動ってもんなのだ。


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