ダンスフロアーで-1
3.ダンスフロアーで
最初はごく普通のステップを踏んでいた博康だったが、やがて学生時代に友人たちと学内でよく練習していた、ムーンウォークのステップを踏んでみる。
マイケルジャクソンで有名になったこのステップだが、北欧ではあまり一般的でないようだった。これが大いに受け、周りで踊っていた連中が、博康に手拍子まで送ってくれた。
「あなたダンス上手ね。どこでそんなステップ覚えたの?」と尋ねるカロリーネに、
「学生時代に日本じゃこのステップがはやってね。学内で皆と一緒に練習していたよ」と彼も笑顔で答える。
何曲かの早いテンポの曲を2人は一緒に踊ったが、その後でディスクジョッキーは、 急にスローテンポの静かな曲を流した。それを待っていたかのように、何組かのカップルは、フロアー中央に出ると、しっかり抱き合いながら濃厚なチークダンスを踊り始める。
博康も自分より背が高いカロリーネを誘い中央フロアーに出る。そして彼女の腰をそっと引き寄せながら、チークダンスを踊り始めた。
カロリーネが博康より少し背が高いこともあり、彼女に身を寄せながら踊る博康は、ズボンの下で自然に勃起したペニス先端が、ちょうど彼女の両足付け根に挟まれた柔らかい部分に当たってしまい、少しばかり焦る。
カロリーネの方も少しびっくりしていた。博康のズボンの内側で固くなったそれが、自分の両足に挟まれたセンシティブな部分を押してくるのだ。
ブラジャーを着けてない、小柄だがプリプリした乳房も博康の胸板を刺激する。
けれども初めて経験するそんなエロティックな感触を楽しみながら、博康は彼女の体を尚いっそう強く抱き寄せる。
カロリーネもまた、そんな感触を楽しむかのように体をますます強く押しつけてくる。
今まで何回もスウェーデンの若者たちとチークダンスを踊った経験はあったが、こんな固い物が自分の下腹部に押し続けられる経験は初めてだった。
数曲の静かな曲のあとで、再びビートの効いたロックやポップスの曲がかかり、博康とカロリーネは少し距離をおきながら踊り続ける。博康の興奮も少しは冷めて、勃起したペニスもズボンの中で平常通りに納まっていた。
何曲か踊った後で、博康はだめ元と思いながらも彼女を近くにあるコーヒーショップに誘ってみた。
女性ばかりのグループで来店していた彼女だったが、今はグループの各自がそれぞれ新しいパートナーを見つけ、楽しんでいることもあって、すぐに博康の誘いに応じてくれる。
静かで落ち着いた雰囲気のコーヒーショップで、カロリーネと2人で雑談をしながら30分ほど過ごしている内に、時間はもう夜の11時を回っていた。
「もう11時を回ったけど、まだ家に帰らなくて平気かい」と聞く博康に、
「私はもう18歳よ。自分のことは自分で決められる年よ。それに今帰宅しても、誰も私の事なんか待ってくれていないわ。
自宅には母親と彼女のボーイフレンドが住んでいるけど。その男が最低なの!
今までに何度か私をレイプしようとしたけど、その度に母に言いつけると言って逃げて来たのよ」