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砂漠の薔薇
【女性向け 官能小説】

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-6

「あの居酒屋の大座敷で一緒に飲んだことも何回かある」
「え!知らない」

「・・・・近くでは飲んでない」
「なんで?」
「同棲している男がいることは新田さんに聞いて知ってたから。
一度でも話してしまえば、無理やりにでも手折ってしまいそうだった」
「たお・・・る?」
「花を手で粗野に折ってしまうことだ」

「無理やりにでも俺のものにしたくなって我慢が出来なくなりそうで怖かった」
「・・・・」
阿部さんは私のほうを見て苦笑いをする。

「手折るって、女性を自分のものにするって意味もあるんだよ」
「・・・・」
「女性はよく花に例えられるけど。
真由花は俺にとっては砂の薔薇なんかじゃない。
いつも風に揺れるように咲いている真っ赤な薔薇だよ―――」

あべ、さん・・・

「あの日。最初で最後に1度だけ2人で話がしたいと思ってあのバーに誘った」
初めて二人で行った日を思い出した。

「幸せならいいと思ったんだ」
「・・・・」
「でも、男との関係を我慢をしているようで、意地悪を言った。ごめんな」
「ううん」


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