地下室の真実-2
「まあまあ」
なだめるように加際が声を掛けた。
「そんなに慌てることはないだろう、玲奈くん。ゆっくり楽しもうじゃないか。立野くんに見られながら私に犯されるのは久しぶりなんだから」
「それもそうですね。じゃあ先生、たっぷり愛して下さい、いつものように。そして、あの頃のように」
目を閉じて突き出された玲奈の半開きの唇に、加際のそれが重ねられた。
「ん……」
玲奈の口元が、微笑むように緩んだ。
「ん、んん、ん……」
口の中に招き入れた加際の舌に自分の舌を絡め、興奮に鼻息を荒くしていく玲奈。
江島も瞳美も仁来も。そしてもちろん、幸弘も。何をすることも出来ずに、ただ玲奈と加際が愛し合うのを見せられていた。
加際の唇は玲奈の頬を這い、耳たぶを甘く噛んだ。そして首筋を下り、鎖骨を越えて、豊満な胸の膨らみへと迫った。
快楽への期待に顔を恍惚とさせた玲奈が胸を突き出すと、加際は顔を離し、重く白い肉の膨らみを手のひらで持ち上げて、撫でさすり始めた。
「あ、ああ……」
それだけで玲奈は切ない吐息を漏らした。
加際はけして急ぎはしないし、乱暴に鷲掴みになどしない。その事が逆に玲奈の欲情を煽っているようだ。
硬くなりつつも腫れぼったく膨らんだ桜色の乳首に、加際の指先がそっと触れた。
「んあぁ……」
鼻に掛かった玲奈の声を聞いた幸弘はいたたまれないように俯いて首を振り、拳を握りしめた。彼の愛する妻は、加際の指先で乳首を転がされ、悦楽に歪んだ表情を浮かべているのだ。その心中は察するまでもないだろう。
だがしかし。同時に、彼の股間は、はち切れんばかりに膨らみ、ズボンを突き上げていた。
「いいかげん認めたらどうだね。いや、認めるまでもなく明らかだが」
加際の視線の先にある股間を、幸弘は隠そうとはしなかった。そんなことをしても無駄だと分かっているのだ。
「自分の正体を受け入れたまえ、玲奈くんのように」
細長い指先で玲奈の乳首をつまむと、加際はその先端にドロリと湿った舌を這わせ、吸い上げた。
「あはぁあ……」
玲奈は耐えきれないというように身を捩ると、加際の空いている方の手を掴み、自分の下半身へと導いた。加際の指先が控えめな黒い茂みを掻き分け、亀裂の奥へと潜り込んでいく。
玲奈の膝がカクンと折れかけた。それを加際は支え、彼女の手を引いて部屋の隅に置いてあるベッドへと連れて行った。
仰向けに横になった玲奈は、何も言われていないのに膝を高く上げ、それを左右に大きく開いた。そこへ加際は顔を入れ、期待に膨れた花唇に口付けた。
「んはぁあぁ……」
舌の先が伸びる。それは花唇をこじ開けながら、桜色の柔肉の谷間へと到達し、溢れんばかりに満ちた粘液を味わった。何度も、何度も。蛇行するように上下に動きながら。
玲奈の息が更に乱れ、腰が知らず知らず持ち上がっていく。
「ああ、やっぱり君はすばらしいね、玲奈くん。初めての時の君も青い風味が美味しかったが、時を経てしっかりと熟した君は、また格別の味わいがあるよ。どこまでも指が埋まるほど柔らかいのに張りのある乳房、清楚に咲きつつ淫靡に蠢く花唇、そこから溢れ出る、芳醇な香りを漂わせる濃厚な味わいの蜜、そして、プックリと膨らんだ、この……」
「もういい、やめろ、やめてくれ……もう、見たくない」
幸弘の悲痛な願いはもちろん聞き入れられはしなかった。加際の舌は谷間を上り、真珠のように深い輝きを放つ肉の蕾へと到達し、それを優しく舐め上げた。
「んは……ああ……」
玲奈がビクンと上体を反らした。
「幸弘よ、お前たち、悪い男に捕まったなあ」
江島が哀れむように声を掛けた。
「まあ、俺も人のことは言えんがな」
もっと乱暴に蕾を苛められることを望んでいるかのように腰を揺する玲奈。しかし、加際は執拗にソフトタッチを続けている。
「入れて……先生、入れて下さい」
「まだだよ、まだ早いよ、玲奈くん」
半開きにした唇の端から涎を垂らし、うつろな目をした玲奈の懇願を、加際は冷静に拒否した。そして唇をすぼめ、蕾をそっと吸い上げた。
「ああ、そんな……。入れて! 誰でもいいから、何でもいいから、ここにねじ込んで掻き回して!」
加際は玲奈から離れた。
「しょうのない子だねえ」
余裕たっぷりに服を脱いだ加際が、玲奈に覆い被さっていった。そして、熱く潤み切って陽炎を立ち上らせている玲奈の秘めやかな壺口に、どす黒くいきり勃った巨大な鋼棒を当てがった。
「ふんっ」
そして一気に体重を乗せて、彼女を刺し貫いた。
「ああっ!」
玲奈は悦楽に顔を歪めて身を震わせた。
「見て! 幸弘さん。あなたの妻である私が犯されているのよ? 私たちの師匠である、加際先生に。ただれるように熱くなったここに、先生が深く埋まっているの。どうかしら、興奮するでしょう? あの頃のように」
「バカな事を言わないでくれ、玲奈。僕は、もう……耐えられない」
そんな二人のやりとりを楽しむかのように、加際が腰を前後に動かし始めた。
「それ、それ、それっ、どうだね、玲奈くん。感じるかね?」
「あっ、あっ、ああっ……」
「それそれえっ、どうだね立野くん。興奮するだろう? ふははははっ」
「ああーーーっ」
「やめろ……」
幸弘の声は湿っていた。
「もうやめてくれよ……」
そう言いながら、彼は自分の股間が熱く反応してしまっていることをはっきりと認識し、涙を浮かべている。