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陽炎の渓谷
【寝とり/寝取られ 官能小説】

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向かい合う花びら-1

「あ、立野さん」
「あら、堂崎さん、でしたね」
 幸弘と気まずい雰囲気が続いている玲奈は、気晴らしを兼ねて、買い物に出かけた。そこで、不動産屋の江島のアシスタントである堂崎瞳美に遭遇したのだ。
「あの、先日は、なんというか……」
 瞳美は目を泳がせながらそう言った。
「いえ、こちらこそ。江島さんと堂崎さんはお付き合いされてるんですよね」
 玲奈は目を伏せた。
 マジックミラーを挟んで、二組の男女は互いのパートナーを寝取り、寝取られた。瞳美は幸弘と、玲奈は江島と。
「あの、御主人とはその後?」
 瞳美の問いに、玲奈は、ふう、っと息をついた。
「なんだかぎこちないままなんですよ」
「そうですか……」
 瞳美は責任を感じているようだ。
「あ、でも、あの日、二人の間は既に険悪になってたんです」
「喧嘩をした、と御主人からお聞きしましたが」
「そうなんです。私がつまらない嫉妬をして……。それで、嫌味のつもりで例の助手席にわざと座ったり、江島さんと二人っきりになってみせたり。それがいけなかったんです」
 瞳美は何か考え込んでいる。
「……ねえ、奥さん。ウチにいらっしゃいませんか? すぐ近くなんですよ」

 玲奈は瞳美の誘いに応じ、彼女の自宅を訪ねた。彼女ともっと話してみたいと思ったのだ。
「お茶、淹れますね。緊張や不安を和らげる効果がある、特別な物なんですよ」
 お茶を飲み、菓子などつまみながら、一通り世間話をしたところで瞳美が提案した。
「ね、一緒にあれ、見ません?」
「あれ?」
「そう、奥さんが車の中で……」
 玲奈は一瞬で顔色を失った。
「そ、そんな物をどうして瞳美さんが」
「江島にコピーをもらったんですよ」
「まさか、見たんですか?」
「もちろん」
 瞳美はソファーから立ち上がり、テレビの用意を始めた。
「さあ、見ましょう」
「ちょ、ちょっと、何言ってるんですか。瞳美さんにはもう見られちゃったからしょうがないとして、私が自分で見てどうするんですか」
「まあ、そう言わずに見てみましょうよ」
「え? いや、あの……」
 慌てる玲奈を尻目に、素早く再生を始める瞳美。壁際の大型テレビにそれは映し出された。
「江島が戻ってくるのを警戒しつつも没頭していきますよね」
「え、ええ」
 切なげな目をしながら乳首を虐め、パンティに指を差し入れてモゾモゾと動かす様子が、鮮明に捉えられている。
「凄く可愛いですよ。正直に言っちゃいますけど、私、これを見ながら自分でしちゃいました」
 瞳美は、まっすぐに玲奈を見つめた。玲奈は動揺したように視線を外し、太股をキュっと寄せた。
「どうですか。幸弘さんだけじゃなく、江島にも私にも見られたこの動画を、奥さんは今、自分自身で見ているんですよ」
「自分でしているのを、私自身が見てる……」
 玲奈はソファーの上で軽く座り直した。その肩は大きく上下し始めている。
「そしてこの後、奥さんは絶頂の瞬間を江島に見られ、続いて彼と交わります」
 録画は、江島が戻ってきて玲奈を愛撫し始めた場面に差し掛かっている。
 やがて二人は後部座席へと移動し、玲奈は剥き出しにされた胸を乱暴に揉まれ、乳首に歯を立てられ、キツく吸われ……。
「奥さん、この時点で既に完全にその気になってますよね。江島にヤられるところをご主人に見られると知って、どんなふうに欲情したんですか?」
「どんなふう、って……。下腹部の奥が疼いて、股の間がジューンと潤っていくのが自分でも分かったわ。そして、早く入れて欲しくて、お尻を突き出して江島さんを誘ってしまったの。ほら、ちょうどこの場面」
 全裸になった玲奈は自分で自分の尻を掴んで左右に割り開き、江島を迎え入れた。
「あとはもう、夢中で」
 結合した二人は激しく下半身をぶつけ合い、やがて。
 画面を凝視し、息を乱していく玲奈。無意識にペロリと唇を舐めた。その唇に、瞳美が自分の唇を重ねた。
「むぐ?」
 驚いて見開かれた玲奈の目は、すぐにうっとりとしたものに変わった。
「瞳美さん、何を……」
 瞳美の唇が玲奈の頬を這っていく。そして耳たぶを甘く噛み、舌で首筋を舐め下ろしていった。玲奈は動くことが出来ず、されるままになっている。
「私、なんだかおかしい。女同士なのに、なんだか……あなたにもっと愛撫されたいと思ってしまっている。何か仕込んであったの? あのお茶に」
「いいえ、あのお茶には緊張をほぐす効果しかありませんよ。そのせいで欲求に素直になってはいるでしょうけどね。媚薬の類いは入っていません。つまり」
 瞳美は玲奈の耳たぶに舌を這わせながら囁いた。
「あなた自身が持っている素質の一つなのよ、玲奈」
 舌の先が、穴の中へと侵入していく。玲奈は身を固くするばかりで、動こうとはしない。
「素質? 女同士なのに欲情するのが? そんなバカな」
 そう言いながらも、耳の穴から体の奥深くにムズムズとした感触が染みていくのを、玲奈は否定できなかった。それは、ただこそばゆいのとは明らかに違うものだった。
「それにね、玲奈。女の体は女が一番よく知ってるの」
 シルキーなベージュのブラウスのボタンが次々に外されていく。それを玲奈は、人ごとのようにただ見つめている。
 完全にはだけられたブラウスの中から現れた純白のブラは、細かな刺繍の施された清楚な物だった。
「よく似合ってるわ。でも、残念ながら脱いでもらうけどね」
 玲奈の背中にまわった瞳美の手がホックを外すと、ブラが中身に押されてフワっと浮いた。
「さあ奥さん。あなたの胸を見せて」
「何言ってるの、あなた、立派な胸をしてるじゃない」
「自分の胸を見るのも悪くはないけど……今はあなたのを見たい気分なの。もちろん、見るだけで終わりじゃないけどね」


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