向かい合う花びら-2
瞳美が玲奈の胸を熱く見つめる。中身を想像するかのように強い視線で。
「私の胸が、見たい……」
ブラの下の淵に玲奈の手が掛かった。そして一瞬の逡巡の後、それはゆっくりと捲り上げられていった。
ボロン、と熟れきった大きな山が二つ、こぼれ出た。その肌は透き通るように白く、所々に青い静脈が薄く見えている。そして玲奈が僅かに身じろぎするだけでそれはゆらゆらと揺れた。
「素敵……」
乳房の膨らみを下から持ち上げた瞳美は、そのままフルン、と撫で上げた。それは、一瞬だけボヨンと跳ねたが、すぐに元の位置に戻った。
「ん……」
切なげな吐息が、玲奈の鼻の奥から漏れた。
瞳美の手のひらが、豊満に熟れた果実を優しく包み込み、円を描くようにゆっくりとさすり始める。
「あ、ああ……」
「どう？ 奥さん。こんなふうにされたのは、はじめてじゃない？ 男の人たちってすぐに乱暴に鷲づかみして揉みしだくから。まあ、それはそれで悪くはないんだけど……優しくされるのもいいものでしょ」
玲奈は小さく二回頷いた。
「ええ、ええ、そうね。とても安らぎを感じるわ」
「ふふ、可愛いわ、玲奈ったら。安らぎ以外も感じさせてあげる」
瞳美は舌を伸ばし、ギュっと収縮したように皺の寄った、桜色の小さな先端に軽く触れた。
「あぅん……」
胸全体をピクンとさせた玲奈は、自分からそっと胸を突き出した。
「もっと欲しいの？」
「……イジワルしないで」
ドロリと唾液で濡れた舌を、乳首の周辺にグルリ、グルリ、と這わせる瞳美。舌が一周する度に身を捩り、声を漏らす玲奈。
「あ……あ……ああ……」
まだ柔らかさを保っていた乳首が、コリコリに硬く尖っていく。その先端には朱が差し、今にも何かが吹き出しそうな程に腫れぼったくなっている。
「ちょっとだけ塩味ね。汗？ それとも」
瞳美は、ガマンの限界に達している乳首を口に含んで軽く吸った。
「んはぁ……」
玲奈がひときわ大きな声を漏らした。
舌で舐め回しながら吸い付き、唇でしごく瞳美。玲奈は眉根をキュっとよせ、目を閉じて胸の奥にジワっと染みていく感覚に集中している。
「どう？ 分かったかしら、玲奈。あなたはね、誰にも見られていなくても、相手が女でも、ちゃんと欲情出来るのよ」
「そうなのね、知らなかったわ」
「まあ、オナニー出来るんだから当たり前と言えば当たり前だけどね」
「そ、そんなこと、言わないで。恥ずかしいじゃない」
「恥ずかしい？ いまさら何言ってるの。ついさっき一緒に見たでしょ？ 屋外の車の中だというのに、一人で乱れ狂っている自分を」
「それは……」
「それとも、やっぱり見られてる方が気分が出る？ だったら見ててあげるから、してみせてよ」
「無理よ、女の瞳美さんに見せながらなんて」
「ふふ、やってみれば分かるって」
瞳美は玲奈の下半身を舐めるように見つめた。玲奈は、モゾっと太股を寄せた。
「したいんでしょ？ もう大変なことになってるんじゃないの？」
玲奈は黙って俯き、しばし逡巡していたが、やがて自分のブラウンのフレアスカートを少し捲った。白いムチムチの太股がチラリと見えた。
白く細長い手がスカートの中に潜り込んでいく。それにつれてスカートが捲れ上がっていき、やがてブラとお揃いの上品な刺繍の入った純白のパンティが姿を表した。そのクロッチの中央部分には、縦長の灰色のシミが広がっていた。中身が薄く透けて見える程に、そこは湿っていた。
指先がパンティの淵に触れた。
「ほ、本当にするの？」
その声は微かに震えていた。
「するの。つい先日知り合ったばかりの、しかも女の私に見せながら、オナニーするのよ、奥さん」
「そんな……」
そう言いながらも、指はパンティの中央を目指し、動き始めていた。そしてついに、シミの一部に触れた。
「ん……」
しかし、指はそこで止まってしまう。
「やっぱり無理よ、こんなの」
玲奈はスカートを直し、横を向いてしまった。
「しょうがないわね」
瞳美は、ふう、っとため息をついた。
「じゃあ、私も付き合ってあげるから」
そう言って服を脱ぎ始めた。今日の彼女は先日のようなスーツではなく、ラフな格好をしている。
カットソーとジーンズを手早く脱ぎ、ブラを外してパンティ一枚になると、玲奈に向かって大きく股を開いた。その股間の布は、玲奈に負けず劣らずベットリと湿っていた。
「さあ、しましょう」
「え……」
「まさか奥さん、私だけ恥ずかしい思いさせないわよね」
意地悪く言う瞳美に対し、玲奈は唇をキュっと結び、何かを決心したような顔になってスカートを脱いだ。
「そうでなくちゃ」
瞳美の顔がほころぶ。
二人の女が、パンティ一枚に覆われただけの股間を晒して向かい合った。
先に動いたのは、意外なことに玲奈だった。パンティのシミの中央に縦に走るミゾを、指でなぞり始めたのだ。
「んく……」
ジュブジュブに濡れてしまっているそこは、布の上から触っただけでも身を捩らずにはいられないほどに、感度が高まっているようだ。眉根を寄せて喘ぐ玲奈。
「うふふ、可愛いわ、玲奈」
瞳美も指先をパンティの中央に触れさせた。そして、なぞるのではなく、強く押しつけた。
「うっ……」
クロッチの布に指先がめり込んでいく。第二関節が見えなくなるあたりまで埋まったところでようやく円を描くように動き始める瞳の指先。