マジックミラー-4
江島が腰に体重を掛けていく。
「く、くぅ……」
思わず声を漏らす玲奈。しかしそれは、痛いからではない。欲情をガマン出来ずに犯されてしまう悔しさ、自分への嫌悪、そして何より……快感。
「いいか、いいのか、ええ? 奥さん」
更に体重を乗せる江島。彼の鋼棒が、ジュブリ、ジュブリと玲奈の中にめり込んでいく。
内側の柔肉との摩擦は、泉のように湧き出した粘液が潤滑させている。
「嫌、嫌よ……やめて……」
「ふん、いまさら何言ってやがる。嫌でも俺はヤるぜ」
江島が一気に腰を突き出した。
「あうっ!」
ジュボ、っという湿った音とともに、それは玲奈の一番深い所を刺し貫いた。接合部分から、白濁した粘液が吹き出し、垂れ落ちている。
「幸弘さん……」
涙声で夫を見つめる玲奈。
「ふん、向こうは向こうでお取り込み中さ」
瞳美の最も奥深い所まで侵入した幸弘は、ゆっくりと動き始めた。
「あっ、ああ……熱い。熱く煮え滾った物が、私の中で暴れているわ」
与えられる快感を一滴も逃すまいとするかのように、瞳美は自分でも尻をくねらせ始めた。
「ああ、いいぞ、いい具合だぞ、瞳美」
「私もよ。あなたってやっぱり凄いわ、幸弘」
「もっと気持ちを入れろよ、奥さん。まあ、どっちみちヤるけどな」
玲奈の目の前では、彼女の夫の幸弘に貫かれた瞳美が悦楽の表情を浮かべて涎を垂らしている。その向こう側に居る幸弘は、必死の形相で腰を突き出し続けている。
江島のペースが上がり始めた。
「あ、あ、ああっ……」
乱暴な快感に翻弄され、玲奈は声が漏れるのを抑え切れない。
「嫌、嫌、嫌あっ、うう、あはぁあ……」
苦悶の表情を浮かべる玲奈の色白の顔は、ほんのり桜色に上気し、江島に腰を打ち付けられている尻は赤く腫れあがり始めている。
「やめて下さい、あうぅ……」
眉根はギュっと寄せられ、食い縛った歯の隙間からは涎が溢れかけており、唇が震えている。しかし、瞼はしっかりと開かれ、ガラスの向こう側の幸弘をしっかりと見つめている。
「だ、ダメ……い、イク、イってしまう。私、もう……」
江島が勝ち誇ったような笑いを顔に広げ、腰の動きを荒げた。
「イけ、イってしまえ、旦那が他の女を目の前で犯しているの見ながら」
「く……幸弘さん、ねえ、幸弘さんってば! 助けてよ。私、意味も無く犯されているのよ?」
幸弘がペースを上げた。大きく体を揺さぶられている瞳美の振動が、ガラス越しに伝わって来そうだ。
赤く腫れた玲奈の華奢な尻に江島の腰がパンパンパン、と大きな音をたてながら容赦なく叩きつけられる。
「どうして来てくれないのよ? バカ……」
玲奈は全身をワナワナと震わせながら上体を反り返らせ、ガチっと硬直した。
ジュワー、っと下腹部の奥深くに快感の飛沫が弾け、広がっていく。それはさざ波のように全身へと伝わっていき、玲奈は白い闇の中を浮遊した。
やがて、ガクッ、ガクン、と腰を大きく揺らし、ガラスの向こうを睨み付けながら、玲奈は床の上に崩れ落ちて目を閉じた。
その時、彼女から引き抜かれた江島の鋼棒の先端から熱い情欲がほとばしり、美しく整った玲奈の顔にベチョリ、とかかった。同時に、ガラスの向こうからもそれは飛んできて、彼女の目の前のガラスに当たって垂れ落ちていった。