見られてる-3
江島が、助手席に押しつけるように玲奈にのしかかり、胸を掴んで乱暴に揉みしだいた。
「い、痛いわ」
ニヤリと笑って江島が言った。
「ご不快でしたらスイッチをお切りいたしますが、奥様」
「……気持ちいいのでこのままでお願いします」
ちぎれんばかりに激しく乳房を揺さぶりながら、江島は再び玲奈の唇を奪い、舌を絡めた。玲奈は、苦悶と悦楽の入り交じったような表情を浮かべて、江島の頭を抱きかかえた。
不意に、江島の動きが止まった。
「いいのかい、奥さん。旦那さんが見てるんだぜ?」
玲奈の呼吸がより一層乱れ、自分から江島の唇を求めた。
「なんてやつだ、旦那が見るって分かってるのに。あの人が言った通りだな」
江島は玲奈から身を離し、スーツの上着を脱ぎながら後部座席へと移動した。玲奈がそれに、無言で続こうとする。
「奥さん、俺についてきたら何をされるかわかってるんだよな」
その質問には答えなかったが、玲奈の腫れぼったい目が江島をまっすぐに見つめた。
「いいんだな、ほんとうにヤっちまっても」
玲奈はドライブレコーダーのカメラをチラリと見て、後部座席へと移動した。そこはシートを全て倒した、フルフラットの状態になっていた。
フルフラットシート、といっても本当にフラットなわけではない。座席が立体的な形状をしているため、水平に倒してもどうしてもでこぼこが出来る。しかし、その空間には十分な広さがあり、大人二人が余裕で寝ることが出来る。
江島はシートの上で膝立ちになった玲奈のブラウスを乱暴に剥ぎ取り、ブラをひったくると、突き飛ばすように寝かせた。そして、完全に剥き出しになった白い胸に顔を近づけ、どうしようもないほどに腫れぼったくなった乳首に噛みつくような勢いで吸い付いた。
「あ……」
鋭く反応する玲奈に欲情を煽られたのか、江島は乳首に軽く歯を立てた。
「んぁあ……」
玲奈は嫌がるどころか自分から背中を浮かせて胸を突き出した。それを見た江島は、挑むような視線を玲奈に送りながら、もっと強く乳首を噛んだ。
「ぐぅう……」
眉根をギュっとよせ、キツく目を閉じ歯を食い縛り、じっと堪えるように身をよじる玲奈。果たしてそれは痛みによるものか、それとも倒錯した快感への反応なのか。
江島の右手が玲奈のスカートの中に侵入した。白くムッチリとした太股を手のひらで撫でさすりながら足の付け根へと向かって進んでいく。その手が純白のパンティの中央部分に触れると、玲奈が少し足を開いた。白い布に浮かんだ谷間に、中指が喰い込んでいく。
「あっ、ああ……」
玲奈は大きく反応し、更に足を開いた。江島が指をめり込ませているあたりに、大きなシミが広がり始めた。
「どうやら本気で俺にヤられたいようだな。いいとも、全部脱げ」
スカートを脱ぎ、パンティに指を掛けたところで玲奈の手が止まった。
「なんだ、今更やっぱりやめた、は無しだぜ、奥さん」
じらすようにパンティを下ろし始めた玲奈の顔には、静かな微笑みが浮かんでいた。その妖艶さに、江島は思わず唾をゴクリと飲み込んだ。
「は、早くしろよ」
江島の声が掠れている。
太股に挟まれた暗い翳りを越え、渓谷の入り口が見えたところで、玲奈はクルリと後ろを向いた。そして豊満な白い尻を覆っている布を、ジワリ、ジワリ、と捲っていった。
丸みを帯びた大きな二つの肉の山がその全貌を現し、パンティが膝まで下ろされると、玲奈は膝立ちになって尻を持ち上げ、誘うように腰をくねらせた。そして両手を後ろに回し、白い渓谷を自分で左右に割り開いた。ニチャーっと粘っこい音とともに渓谷の奥の桜色の花びらが大きく口を開き、中の柔肉が剥き出しに晒された。そこは既に粘液に満たされており、車の窓から入ってくる光をヌラヌラと反射させた。
「後ろが好きなのかい? 奥さん」
「どちらでも、お好きな方で……」
玲奈と同様、全てを脱いだ江島が、ふっ、と笑い、大きく開かれた花唇に自分の赤黒い肉の鋼棒を後ろから押し当てた。
「ああ……早く下さい」
「言われなくても」
江島がジワリと体重を乗せると、彼の先端が玲奈の潤いきった壺口にジュブ、と湿った音をたてて突き刺さった。
「ねえ、江島さん」
玲奈が荒い息で問いかけた。
「なんだ」
江島の息も乱れ始めている。
「本当に主人に見せるんですよね、私があなたに犯されているところを」
「ああ、そうさ。バッチリ録画してるからな」
脱いだ上着のポケットからスマホを取り出し、画面を見せる江島。そこには、グイっと突き出された玲奈の尻と、そこに突き立てられた江島の鋼棒が、鮮明に映し出されていた。
「……入れて」
「ん?」
「もっと入れて! 奥まで」
「この変態め!」
江島は一気に腰を落とした。
「んあっ!」
玲奈が顎を仰け反らせて甘い叫びを上げた。
ゆっくりと前後に動き始めた江島の腰の動きに合わせるように、玲奈の尻もくねり、揺すられ、時折ビクン、と跳ねた。
「こいつめ、こいつめ」
江島の腰が、加速するとともに振幅を大きくしていく。
「あ、あ、ああっ……」
ひと突きごとに玲奈は鋭く反応し、髪を振り乱した。花唇と鋼棒の接合部分は、滴るほどにジュルジュルに潤い、出入りの度に湿った音を立てている。
「旦那に見られると知った途端に欲情しやがって。今まで一体どんな経験してきたんだ。ええ? おい」
玲奈の顔に、一瞬の翳りが流れた。
「仕方なかったの。仕方なかったのよ。そうしないと私は音大に行けなかったし、卒業もどうなるか分からなかったから」
「何だそれは。ワケが分からん」