偶然のきっかけ-1
俺達はボールを蹴りながらM子に近づいて行った。俺達を無視するように後ろ向きになったM子へ向けて信男がふざけてボールを蹴った。勢いよく飛んでいったボールが私たちの声に振り向いたM子の顔を運悪く直撃してしまった。重いサッカーボールは衝撃が強い。M子は「うっー」とくぐもった声でうめいて手で顔を覆い、その場にうずくまった。
ボールが目に当たったらしく両手で目を覆って呻いていた。俺達はびっくりしてM子に駆け寄った。その時のM子の様子は今でも鮮明に脳裏に焼き付いている。
当時の女子の夏制服はどの学校もほとんど同じで白の半袖上着で紺のセーラ襟には白の3本線が入っていた。当時は女子と話すことは殆ど無い時代であり、まして俺たちと話しをする女子などいなかった。俺達にとってセーラー姿は性の対象でありオナニーする時に思い浮かべる姿であった。
プリーツの入った紺のスカート丈は、高校生でも膝下くらいだった時代なので、ましてや中学生のスカートは更に長いものであった。
従って、当時はパンチラなど見たことはなかった。たまに何かの拍子に脛裏の少し上が見えただけでもドキッとするくらいだった。スカートの中奥は想像するだけで興奮する領域であった。
M子は目が痛くて開けられないらしく、「うう〜」と半泣きのように呻いて地面に体育座りになっていた。両手で目を覆って前屈の姿勢で痛みに耐えていた。
「すまん、すまん」信男が軽い口調で謝りながら近づいた。