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砂漠の薔薇
【女性向け 官能小説】

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-3


「いらっしゃい。あれ?」

中にはお客さんが一人で、数少ないカウンターさえも埋まってはいなかった。

「昨日の子、だよね」

マスターが勧めてくれたその席は昨日と同じ席で
なんだかいい匂いのおしぼりが出て来て
私は昨日と同じシャンティガフを注文した。

「昨日は無事に帰れた?」

少し危ない感じの色気のあるマスターは
苦笑いしながら私にシャンティガフを出してくれた。

「昨日はいきなり帰ってすみませんでした」
「いや。あれは阿部が悪い・・・」

「あ!そうだ!2千円で足りました?」
私の慌てた問いかけにマスターはニヤリと笑って
「阿部からは大目にもらっておいた。今日はそのお金で飲んで行きな」
そう言って。自分にもワインを注ぐと私のグラスと小さく重ねた。

その会話を聞いていた、先客がくすくす笑って
「なに?さっきの阿部くんの話の子?」
どうやら、私が来る前にマスターと先客で阿部さんと私の話をしていたらしい。

「そう。あの阿部を意地悪くさせた子」
そう言ってマスターはニヤッと笑った。

?マークの私にマスターが説明してくれる。

「阿部は昔からの友人なんだけど・・・」
はい。
「アイツ、感情あるのか?って程冷静なんだ」
冷静?あの人が?

「ふに落ちない顔をしているね」
そう笑った。

「確かに昨日のあれを見ればなぁ」
とまた思い出し笑いをした。
「あ〜俺も見たかったな」
なんて先客の人も笑いだす。


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