叔母と甥、一夜の過ち-4
7月末、姉の洋子が太一を連れてきた。
「おばさん、こんにちは」
「太一?あらら、こんなに大きくなっちゃって、悦子おばちゃん=Aびっくりよ」
太一は体が大きくなっていた。悦子は160cmあるが、太一は180cm近く、見上げる程に背が高かった。18歳、大人っぽくなってはいたが、幼い頃の印象が強く、まだまだ子供のように思えた。
「もうそんな呼び方はしないよ。恥ずかしいから止めてよ」
それはウソである。
「ははは、太一、照れてる」
照れたのは母がいたからで、太一にとってはずっと悦子おばちゃん≠セ。
「太一、おばさんの言うことをよく聞いて、しっかり勉強するのよ。悦ちゃん、お願いね」
母の洋子はそう言ってニューヨークに行ってしまった。
「1階は進学教室にトイレとお風呂。住まいは2階なのよ。こっちよ」
二階の間取りは客間と夫の書斎、それとダイニング。廊下を挟んで悦子の寝室、それと納戸にトイレがある。
「ここ、おじさんの書斎だけど太一の勉強部屋に使って」
「おばちゃん、ありがとう」
久しぶりに会った悦子おばちゃん≠ヘ以前と変わらずきれいで素敵だ。太一は楽しい生活の予感がしてきた。