|-6
2年ごとのマンションの更新は、未来への約束のように思えた。
後2年は一緒にいる。
見た目よりも実用性を考えたパジャマは可愛くはなくて
私もいけないよね。
と、今回の更新の案内の手紙は色々と私を惑わせる。
今まで、特に気が付きもしなかった色々な状況と感情が
一気に私に「気付け!」と攻め立てているようで。
「ねぇ。こーちゃん」
冷蔵庫を開けて、中から麦茶を出してコップに注ぐ。
「テーブルの上の更新の手紙、読んだ?」
「あぁ」
「更新費用いくらだっけ?今回も半分づつでいいよね?」
一瞬の間をおいて
「真由花、その事なんだけど・・・」
ドクンドクンと、心臓が打った。
なんだろう・・・嫌な予感しかしない。
そうだ。こーちゃんのこの声を知ってる。
「更新は、やめないか―――」
こーちゃん、それ、意味が良く、分からないよ。