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人形たちの話
【教師 官能小説】

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人形が人形でない話-3


 昼休み。この時間が一番きつい。男同士のいじめは基本的に力技で、殴ったり蹴ったりは当たり前だった。プロレスごっこでいじめられるのは当然だったし、身体中には絶えない傷がいくつもいくつも斑点のように出来ていた。
 今日は運よく体育用具室に逃げられた。ここで購買のパンを食べよう。お弁当はぐちゃぐちゃにされてごみ箱に捨てられてるのを見てから一度も持ってきていない。
「深町君」
「……先生」
「一緒にお昼、食べよっか」
「……はい」
 なんで先生は僕の居場所を当てるんだろう。誰に対しても優しく厳しい先生だから、あいつらの動向も僕の心情もわかるのかもしれない。僕に対するいじめを何とかしようとしているのは知っていたから、先生の言葉を無下には出来なかった。一人にして欲しい、なんて言えなかった。
 しばらく無言でパンをかじる。先生はお弁当をちゃんと持ってきていた。
「……それ、先生が作ったんですか?」
「そうね。一人暮らしだから」
「そう、なんですか」
 今日の会話はそれで終わった。
 先生はむやみに話しかけてはこなかった。それは気遣いだったのかもしれない。でも僕にとっては、無言は距離を感じて苦痛だった。それなら一人にして欲しかったんだ。
 なんて我が儘だったんだろう。



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