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液浸
【SM 官能小説】

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液浸-9

翌日、カヅエは、古い友人が開くパーティが山の麓のホテルで開かれるということで、久し
ぶりに念入りに容姿を整えて出かけた。彼はひとりで足の向くまま森の中を散策し、想いに
耽った。夏の光が木洩れ日のように樹木のあいだに降りそそぎ、森の中の澄んだ空気が彼の
心を癒し始める。

カヅエは出かける前に、プールの中でのセックスがとてもよかったと彼に言った。そして自
分がどんな情欲によって充たされるのか、その快楽を知り尽くしたように語った。

あなたは、奪われることに欲情を感じるんだわ、唇も、肉体も、精液も、そしてあの子さえ
も……。でもそれはあなた自身の愛にとても充たされた瞬間ではないのかしら。わたしはあ
なたとのあの瞬間、あなたが、ほかの男に奪われたあの子の姿を描いて射精したことを感じ
たわ、違うかしら。

そうかもしれません。でも、ぼくはあなたに自分が奪われる姿を描いて射精をしたのです。
その言葉が不確かな言葉であることは隠せなかった。

カヅエは笑いながら皮肉るように言った。あなたは、とても素敵なナルシストだわ…そして、
あの子はあなたの無責任なナルシシズムを嫌った……。彼は返す言葉を持たなかった。

でも、わたしはそんなあなたをとても好きになっているわ。もしかしたら、これまでわたし
を抱いた、どんな男たちよりも。そう言ってカヅエは別荘に迎えに来た車に乗り込んだ。


彼は《妻をカヅエの男に奪われるという場面》になぜか従順だった。彼と別れた妻は、ひと
りの女として今もどこかで見知らぬ男に抱かれているかもしれない……男が妻の中に挿入し、
腰を揺り動かす姿、乳房を揉みしだく掌、擦れ合う脚、絡み合う足指……すべてによって妻
は充たされている、そんな妻の影像が森閑とした森に瑞々しい光となって描かれていく。

男に抱かれる妻の夢……それは彼にとっていつも《不確かな性夢》だった。下着に精液の
痕跡はあるのに、目を覚ましたときに射精の感覚はからだの奥に残ってはいなかった。


カヅエがパーティから別荘に戻ってきたのは明け方だった。カヅエは少し酔っていた。
ソファに疲れたように深々と腰をおろすと、煙草を深く吸った。いつものように彼に裸にな
ることを命じ、貞操帯のを解き、萎えた彼のものに紫煙を吹きかけた。カヅエは彼を足元に
跪かせた。

艶やかな白髪に包まれた、厚く化粧をした顔の中で彼女は長い溜息をついた。カヅエは膝の
見える若風のスカートの中からストッキングに包まれたミルク色の細い脚を組み、黒いハイ
ヒールの先端の冷ややか視線を彼に向ける。

カヅエの脚先が彼の胸部にしなやかに伸びてくる。尖ったハイヒールの先端が彼の小粒の乳
首を卑猥になぞる。爪先が薄紅色の乳輪のまわりを撫でまわすほどに乳首が堅くなっていく。

カヅエは薄笑いを浮かべながら顎を傾けて、足先で彼の肉体をさしのぞくように下腹から股
間をまさぐり、柔らかな肉色の陰嚢の輪郭を撫でる。その甘やかな淫蕩な感触に彼のペニス
が堅さをふくみ始める。光沢のあるハイヒールの爪先が包皮をなぞりながら亀頭の肉ぶちの
溝をなぞると、彼は尿管の中にちりちり滲み出る蜜のような潤みを感じた。ハイヒールで
なぞられるほどに鈴口から透明の先汁が零れはじめる。



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