裏切りの裏で (2)-2
「可愛いパパ……おちんちんピクピクしてる……」
「だって……ゆきがそんなところでセックスしちゃうなんて……想像するだけでおかしくなりそう」
「もっと想像させちゃおっかな……」
「ま、まだあるの? まさかあのあともこっそりZと浮気してるとか……?」
防戦一方と思わせておいて軽くジャブを放つ。
「……ふふふ、浮気してて欲しかった?」
不意打ちにも関わらず即座に否定してこない余裕は大したものだ。
ゆきは私のペニスの先端をペロリと舐め回してから、チュっと口づけをした。
「残念でした。大したことじゃないよ。Zくんに早くイッてほしかったから、ゆきも一生懸命お尻動かしちゃったってだけ……」
「えぇ?!バックで……?そんなことしちゃったの?待合室で……?」
「うん……」
たまらない。ラブホテルの待合室で男に立ちバックで犯されながら、自らも尻を前後に動かして男性器の抜き挿しをしてしまうゆき。尻穴を見せつけながら、男の射精を促すためにむっちりした尻を卑猥に動かす妻の姿が脳裏に浮かぶ。私の腰までくねくねと動いてしまう。ゆきはそんな私の下半身を嬉しそうに抱きかかえながらペニスの根本から先端までつつと舐めあげる。いじわるな笑顔でさらに煽るようなことを言ってくる。
「それからね、最後は椅子に座って向かい合ってしちゃった……」
「あぁ、ゆき……恥ずかしすぎる」
「これなら人が来てもスカートで隠しちゃえばお膝の上に跨ってキスしてるだけに見えるでしょ?」
本当にそれだけに見えればいいが。最愛の妻がラブホテルの待合室で他の男と対面座位を楽しんでいたとは。
「人がいないときはやっぱりゆきもお尻を振って……?」
「うん、Zくんとかわりばんこに腰を動かしていっぱい感じちゃった……」
対面座位でのゆきのいやらしい尻振りは私も何度も見た。Zと二人協力して交互に動き、男性器と女性器をエンドレスに擦り合わせるのだ。その間二人はずっとキスしたり乳首を弄り合ったり抱きしめ合ったりして、性的興奮を高め合う。ゆきはそんな痴態を公共の場で晒し、自分から尻をくねらせ突き出して何度もオーガズムに導かれてしまった。
「Zくんもすごく興奮してくれて……意外と早くイッちゃったの」
最後は綺麗に口紅を塗り直したばかりの口にペニスを突っ込まれ射精を受け止めたという。こぼれて顔や服を汚してしまわないよう、口をすぼめて丁寧に他人棒から出た精液を吸い出し、そのすべてを嚥下した私の妻。ホテルに入る前は「一回だけ、三十分くらいで終わりにするから」などと約束していたらしいが、結局ゆきはその倍の時間をZと過ごし、二度の射精を受け止めた。しかも二度目はなんと他人に見られる場所でのセックス――。
「そのままひょっとしてノーパンで満員電車に乗って帰ってきたの?」
「まさか。コンビニで下着買ってトイレで穿いたよ。知り合いの目もあるからホテル出たらZくんとも他人のフリ……」
Zの家は我が家から近い。電車の最寄りも一駅しか違わない。
「それは偉かったね」
今さら大して偉くもないが妻のあまりの恥知らずな行為に嫌味のひとつやふたつも言いたくなる。
「でもどうせ電車では密着してたんだろう……?」
「満員だから多少は……」
「やっぱり……どんなふうに?」
「えっと、こんな感じ……」
ペニスをいったん口から出して私の胸に甘えるように手を添えペタンと寄りかかってくるゆき。
「ちょっとゆき、これじゃ恋人同士じゃん、どこが他人のフリなの……」
「えー週末のぎゅうぎゅう詰めの電車だし大丈夫だよ」
大丈夫じゃないと思う。しかし私の乳首をコリコリ弄りながらじゅっぽじゅっぽと陰茎を喉奥まで咥えては吐き出すゆきのフェラチオが気持ちよすぎてもうどうでもいい。身を任せているうちに私の陰茎はすっかり硬さを取り戻していた。
「すごい……パパのおちんちんどんどん硬くなってくる……」
「ゆきが興奮させるからだよ。酷すぎるよゆき、こんな大事なこと今まで秘密にしてたなんて」
「うふふ、ごめんね。秘密ってわけじゃないけどつい言いそびれちゃって。それよりまたこんなに硬くしてくれて嬉しい!」
「ま、それでもどうせ小さいけどね」
「小さいけど……でも前から実は思ってたんだけど、パパのおちんちんて硬いよね」
「そ、そうなの?」
「うん、お世辞じゃないよ。だからゆきの気持ちいいところをぐいぐい押してくれるの」
「な、なんか嬉しい」
「小さいし先っぽのこの段差もあんまりないけど、挿れられたときにあれ?案外気持ちいいなって昔から思ってたの」
「案外って……ゆき……」
「ふふふ……だっておチビちゃんだから最初はあまり期待してなかったんだよ……?……チュ……」
「はっきり言うね」
「でも実際に挿れてもらったらすごく気持ちよかった!」
「硬いから?」
「うん、硬くてそれからね、すごく反ってるの。そうすると正常位でゆきのこの辺の気持ちいいところをぐいぐい押してくれるの」
一度上半身を起こして膣壁前面の辺りを指さすゆき。ゆきがそこを気持ちよがるのは最近手淫をするようになってから私も気がついた。いわゆるGスポットがある部分だろうか。
「じゃあバックだと気持ちよくない?」
「ううん。それはそれで別のところを刺激してくれて気持ちいいよ。小さいのになんでこんなに気持ちいいのかな?って不思議だったんだけど、硬くて反ってるからだって、今日お口でしてみてはっきりわかった」
「ひょっとして柔らかくてまっすぐだったら俺振られてたのかな?」
「そんなことないよ!ゆきはパパとひとつに繋がってぎゅってしてるだけで幸せだもん!」