The eighth dream-7
抱き合い、唇を求め合い、激しく擦り合わせた互いの体を慈しむ。時間は怖いほどゆっくり流れ、柔らかな眠りを誘う。
「何もかも眠りのままで…醒めることのない孤独を…二人の真ん中で抱いていられたら」
私を腕に収めて、幸平が小さく口ずさむ。
「今日、演らなかったね…8番目の夢」
私だけが聞ける“8番目の夢”が、耳の優しい。
「今日はだって…イベントだから…自分達のライブでなら演るけど…それに…」
幸平がグイと私の肩を引き寄せる。少し汗をかいた私の髪。鼻先を押し付けて、深い呼吸をする。
「それに、何?」
幸平の腕の中の息苦しさにも、この上ない幸せを感じながら私は聞く。
「ガキっぽいから、この歌…その涙“明日”に変えて、あなたの傍にずっと、居るから…」
何がガキっぽいのか、その意味を聞いてもいいのかもしれない。だけど、幸平はきっと、多くを話そうとはしないだろう。
だから、私は、今は、このまま、抱かれていることに、決めた。
柔らかく目を閉じて、幸平の歌声に体を預けて…。