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The eighth dream
【女性向け 官能小説】

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The eighth dream-6

「朋美…凄い濡れてる」
幸平が指先で私の愛液を掬って、そう囁く。掬った愛液を乳房に塗りたくって、私の顔を覗き込む。
さすがの羞恥心に私は顔を背ける。背けた顔を幸平の濡れた指が呼び戻す。普段は中指から優しく入ってくるのに、今日は遠慮なく中指と人差し指を同時に差し込んでくる…。
乱暴かもしれない。力任せにグイグイ押し込んでくるだけの愛撫かもしれない。それでも、いい。それでも、この体は淫らに鳴いている。
私の中で動く2本の指は、時に真逆の肉壁を刺激し、時に揃って子宮を目指す。押し込められる度、溢れ落ちる雫と喘ぎ。
早く、早く…早く欲しいと叫びたい欲求をギリギリのところで我慢する。求めるのではなく、与えるために、我慢する。幸平が望むものを、ピチャピチャ音を立てる愛液の向こうに探る。幸平が求めるものを、触れ合う肌の中に見つける。その答えが、今はまだ欲しがらないこと。
「ねぇ、やっぱり今日は凄いよ…」
幸平が甘い声を吐いて2本の指の動きの振幅を大きくしてみせる。はしたないとか淫らとか、そんな言葉で言い表せない溢れる水音が耳にやかましい。幸平の指が、私の、愛液に、どんどん、汚れてゆく。“8番目の夢”を歌う時、マイクを刹那気に握りしめていた幸平の指が、今、私の愛液に染まってゆく。
「朋美…」
名前を呼んで、2本の指を静かに抜きにかかる。探っていたもの、見つけようとしたもの、その瞬間を私は逃がさない。
「お願い、来て…幸平。欲しいよ、もう」
抱きつく。幸平の胸に抱きつく。体を、預ける。
静かに私を引き剥がして、幸平は鼻息も荒く、入ってくる…入ってくる…入って、くる…。
入った瞬間から激しく動き始める突き上げが、汗ばんだ肩を揺らす。幾つもの“痕”を刻んだ乳房に大きな波を起こす。もう、射精の時が近いのかと思えるような腰の振り。楽しむとか、味わうとか、そんな余裕のない腰の振り。突き上げは容赦なく、私の喘ぎ声を鳴き声に変える。充分というよりは、余分に濡れていた私の秘肉は、生き物のように口を開き、逞しく荒々しい突き上げに歓喜する。
ただ、射精したいだけかもしれない。幸平を何も知らない女だったら、そう思うだろう。体位も相手の感じ方も関係なく、やたら滅多に腰を振ってくるのだから。確かに、本能の部分ではそうだろう。だけど、そうさせる意識の部分を理解出来ていないなら、この幸平のがむしゃらな突き上げに快感など覚えることは無理だと思う。決して多くを語らない幸平だからこそ、誰からも好かれて人気のある幸平だからこそ、ライブの後で押し寄せる興奮とか夢の欠片とか、喜びや悲しみが入り交じった慟哭を理解出来ないなら、子宮に触れようとする突き上げに果てることなど無理だろう。
私の全身の神経は瞬間的に筋肉の収縮を呼び、手足を強張らせる。指先は反り、限界まで開いた脚は引き攣り、奥歯は砕けろとばかりに噛み締める。
「イク、イクよ、幸平」
開けれない瞼。結べない唇。抱き寄せられない腕。極限まで収縮した筋肉が、果てるのと同時にベッドの四方に飛び散ってゆく感覚。
それさえも気付いていないかのように、幸平の突き上げは速度を増してゆく。がむしゃらな故に、やたら滅多な故に、そのままの勢いで抜けてしまうこともある。真っすぐな軌道がずれて、横の肉壁に当たってしまい、痛い思いをすることもある。
それでも幸平は、すぐさま私の中に差し込んで、また不乱に腰を振る。
私は果てた後のゆらめきの中で、ふと思う。幸平が、夢という“熱病”をうまく日常に抱え込んでいられるのは、こうしてライブの後に湧き上がる夢への誘いを冷ましているからではないのか、と。それは無理矢理でも、逃避でもなく、本能的な行為として…。
「朋美…と、も、みぃ…」
大きく顎を上げて、奥歯をしっかり噛んで、幸平が射精する。吐き出されるように、押し出されるように、生温かい幸平の精液が私の体に降り注ぐ。乳房から腹部。そして、下腹部から茂みにかけて、私を汚して幸平の精液が飛散する。首筋にある一雫の生温かさに気付いて、私は逞しさと儚さを感じ取る。


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