3月:ホワイトデー-3
優しく握られた手に着いていくと
ポンとなって降りた階のふかふかのジュータンを歩いて客室に滑り込む。
「小川くん」
「ホワイトデーだから。
本当は俺がプレゼントをあげるべきなんだけど。
もちろん・・・それはちゃんと用意したんだけど・・・
ごめん。いくら考えても、考えれば考えるほど俺も欲しいものを諦めきれなくて」
「欲しい、もの・・・?」
「ほのかさんを、ほのかさんを俺に頂戴―――」
その言葉を言い終わらないうちに優しく優しくキスをされた。
ビックリして、顔を少し離した小川くんを見たら
不安そうに私を覗き込む、好きなオトコの顔があった。
私はその不安を払しょくしてあげたくて
今度は私からキスをする。
「あげる」
「小川くんに私をあげるよ」
その言葉が合図になったかのように
私を抱えて、奥のベッドに運んだ。
私をベッドに押し付けて、何度も何度もキスをする。