計画-1
「はじめまして。清掃員として今日から働くことになった後藤です。よろしくお願いします。」
職員室で先生方に軽く挨拶をした。
長いことニートをしていたおれだったがついに働くことになった。
この未来高校の佐藤校長はおれの父との繋がりがあり、就職を斡旋してもらうことになった形だ。
学校で働けと親から言われた時は教師なんてできるわけないだろ、そもそも教員免許もってないし・・・と思っていたが、清掃員だという話を聞いてホッとした。
おれも30だしそろそろ働くかと考えていた矢先だったしタイミングとしてはちょうどよかった。
私立未来高校は男女共学で偏差値が高い進学校だ。毎年東大に行く生徒もいるらしい。
そんな名門校で働けることは嬉しかった。
世の中的には大した仕事ではないかもしれないが頑張ろう。そんなことを考えていた。
「自分の古い友人の息子さんだ。清掃員として雇ったが色々頼りになる男だと思う。みんなもよろしく頼むな。」
佐藤校長からも軽い紹介が入る。
軽く拍手が起こった後、先生方はそれぞれの仕事に入る。
頼りになる男ってどういうことだよ・・・と思いながら周りを眺めた。
周りの先生がスーツやジャージを着ている中、自分は上下白の作業着を着て清掃作業にあたることになる。
先生の比率は男女半々ぐらいで若い先生も多い印象を受けた。
「大原先生、ちょっといいかな」
佐藤校長は大原先生という方を呼びつける。
「はい、なんでしょうか?」
大原先生が反応し、おれと佐藤校長の近くまで駆け寄ってくる。
大原先生からはあまいシャンプーのにおいがした。
身長は155pで年齢は26歳ぐらいだろうか。髪はミディアムヘアーの黒髪。
顔はタヌキ顔で芸能人で言えば長濱〇るに似ている感じだ。
スーツを着た彼女はすごく魅力的で、ひざ下のスカートからみえるふくらはぎや胸に思わず目がいってしまう。
おれは思わず唾を飲んでしまった。
「国語の先生をやっている大原優香先生だ。たしか大原先生は今日の1時間目授業はなかったよね?」
おれへの軽い紹介が入り、そのあと大原先生へ確認事項が入る。
「はい、そうですが。何かありましたか?」
「いやなに、この後藤君に学校の案内をしてほしくてね。頼めるかな?」
「大丈夫ですよ。後藤さんよろしくお願いしますね。」
こちらこそと返事をし、彼女に学校を案内してもらう。
今の時間は授業中のため学校はシーンとしていた。
そのためか彼女が学校の施設を紹介してくれる声がおのずと小さくなる。
移動中、学校の階段をのぼるときがあったが彼女の後ろを歩いているためどうしてもお尻に目がいってしまう。
だめだだめだ、おれは今日からまっとうな社会人として働くんだ。
性犯罪はさすがにやばい。
そんなことを考えながら大原先生の説明を真剣に聞いた。
一通り学校の案内が終わると清掃室へ案内された。
「ここが後藤さんの部屋です。」
そう案内された部屋には机やソファがあり普通の個室だ。
隣には一通りの清掃道具が保管されている保管庫もあった。
「こんないい部屋を自分が使っていいんですか?」
思わず大原先生に確認してしまう。
「校長先生の指示ですから。でもいいですね。こんないい部屋を使えて。自分なんか狭い机で作業してますし、周りの先生から嫌味を言われることもあって」
そんな愚痴を聞きていたら大原先生はハッとし小声ですみませんと言った。
「ストレス溜まってるんですね?」
おれは思わず質問してしまう。
「教師は大変ですから。でも楽しいことはたくさんありますよ!やっぱり生徒に教えたり、生徒の笑顔を見るのは好きです!」
その笑顔にドキッとしながらも、おれも高校時代にこんな先生に指導を受けたかったとしみじみ思った。
「もしストレスでどうしようもなくなったらこの部屋に遊びに来てください。」
おれがそういうと大原先生は笑顔で、
「ありがとう。それでは清掃の仕事頑張ってくださいね。」
そう言って部屋を出た。
おれは一つ大きなため息をつきソファに座る。
大原先生可愛かったな。そんなことを考えると一人部屋のせいかあそこが勃起してしまう。
しばらく勃起が続いたが、収まるとすぐに立ち上がり清掃作業に入った。
この学校は比較的綺麗で大きく汚れているところは少ない。
ただ非常に学校が広範囲のため作業するところは多く、効率よく清掃作業を行おうと思った。
そして気が付くと出勤初日の夕方になっていた。
部屋に戻り少し休憩しているとドアがノックされた。
まさか大原先生かと期待してしまう。
しかしそこに現れたのは佐藤校長だった。
おれは思わずがっかりした顔をした。
「後藤君、頑張ってるかな?」
「はい。ただこの学校は非常に綺麗でびっくりしました。」
なら良かったと佐藤校長は頷いた。
おれは思わず疑問に思ったことを確認してしまう。
「あの、佐藤校長。なぜ自分を雇ったのですか?そもそもこの学校は綺麗だしこんな個室まで。給料だって悪くない。自分の父と友人だからと言っても待遇が良すぎるなと思って。」
校長先生は少しだまり、空気が若干重くなる。
おれはいけないことを聞いてしまったのだろうか?そんなことを考えていると、
「大原先生はどうだった?」
おれの頭に?マークがつき理解がおいつかない。
「どうだったというと?話を聞く限り非常に熱心ないい先生なのかなという印象をうけました。ただ少しストレスも溜まっているようでしたが・・・」
佐藤校長は首を横に振りそんなことを聞いているんじゃないという表情だ。
「質問の趣旨が違うよ。先生の身体や顔はどうだったと聞いているんだ。」
おれは思わずドキッとしてしまう。
このご時世になんていうことを言っているんだと。
それセクハラですよとおれは言いたくなってしまった。