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わるい娘、メンヘラビッチとの出会い
【学園物 官能小説】

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生きのびるため-2

 次の日から、順子は殆ど登校拒否生活に入った、たまに気分が向いた時、ホントーにたまにこっそり教室に来て、船橋さんが、一緒に学校来ないのって誘うのよ、同盟関係があるしね。
 勉強とかって別に、教科書は読めば大体頭に入る、どこのページにどんな写真や図が入っていたとか、写真を切り取ったように思い出せるし、まああたしにとっては不思議でもなんでもないんだけど、それはもうカラー付きで、文字なんかも同じくどこにどんな誤植があるとか、ページの汚れまでも間違い探しと同じ感覚で探せる、そんな感覚で読むものほとんど頭に入るから、後はどんな意味があるのかを考えるだけ、考える時間は死ぬほどある、だから数学や物理なんかも理解できないこともないの、英語に至っては大学受験レベルは超えて、夢で英語もしばしばあらわれたわ。
 学校から逃げた先は図書館! 中学生が読まないような本だろうがラノベだろうが、時には洋書だろうが何だろうが、片っ端から読みまくる、春画に見とれ、遊郭についても詳しくなったし、時には何を読んでいるのか分からない本もあった、児童の絵本だって読む。
 いくら読んでも分からないことがある、それを教えてくれたのは意外な事に学校だった。
 中間や期末試験だけは受けに学校に行くので、その時に必然的にクラスメイトにも顔を合わすでしょ、久しぶりに会った船橋さんがなにかキラキラ輝いていて、聞けば彼女には彼氏ができたって、不思議とクラスに馴染んでいて、なんか凹んだ。
 その教室にいるのが苦しいから、試験は特別に別室で受けたんだけど、試験なんかすぐおわっちゃうから、今まで考えなかった、いえ、そうじゃなくって、この胸の痛みの正体に気が付かないふりをし続け、でもそんなの唯の偽りでしかないって、認めるときが遂に来たんだって。

 順子は駄目な子なんだって。

 ダメであることをどうしても認められない、ダメダメな娘ですってこと、そのことを今自覚できた、順子に認めさせることがやっとできたの。

 最後の試験を速攻で終わらせ、20分で面談室とかいう個室を飛び出した、誰にも会いたくもなかったし、それに今日は精神科に行く日で、パパと面会する日でもある、忙しい日なの。
 小学生以来だから少し怖かった、まあ当たり前だよ、でもこうすればママが喜ぶし、パパも心配してくれるかもって、それに一番は今日はあたし自身がダメだって気付けた記念日でもあるし、罰として記憶にとどめたいって感じかな。
 息を吸い込み、手首にカミソリを当て、スッパリ一文字に引いたの。
 スッと白い肌に赤い血が浮かんでくるよね? ドキドキするじゃん、ワクワクしてくるんだよ、これを見たママ心配してくれるかなって、辱かしいから隠してよっていうかな? そーか、恥ずかしんだ? そうだよね、順子駄目な子だってことだよね、だから恥ずかしいんだって、あ、やっぱ今日順子が意識に挙げる事が出来たことと一緒だって、想像すると、超上がって来ちゃう!
 幸せっていうの、こういうの言うんだよ、もう一本手首行っとかないと嘘だよね、超ハイテンションできっもちイイって、あ、滴った血が綺麗、乾いた血には色気が無いけど、生の血ってどうしてこんなにきれいなルビー色してるんだろうって、周りの景色もキラキラ光っているみたいなの、多好感止まんなくって、右腕の方も行っちゃう? いっちゃおーか!やべーっす、ッパねえって感じ、これくらいにしとかねえと、疵残るって、えへへ……
 血だらけの腕のままスマホ使って、腕の写真を撮って置くの、ここまでやったんだし、半ばやけくそ気味かな、滅菌ガーゼを当て、ホータイでミイラみたいに巻き付けてそれも写真に残してあげる。
 やばい! キモカワイイ! ううん、どっちかというと病み可愛いかな? うん、それで逝こうって、馬鹿丸出しのかまってちゃんに笑ってしまう、家で一人超楽しい、こんな笑ったのいつ振りかな? 不健康な遊びだけど、それ位分かってるし、もう金輪際御免だよね、後で絶対に後悔するって、あはっはははははははっははははっは!!!
 痛いのかといえばもちろん痛いわ、何がって人の視線がさ、でもまあよかった、ママからいただいたこの身体を傷つけることがこんな楽しいって思わなかったもの、うふふふふーん。
「あらあらあらあら、大変大変、順ちゃんどうしちゃったのよー」
「どーせ今日病院行くじゃん、そこで治療してもらおうよ」
 精神科でそんなことしてくれるのかは知らないけど、どーでもいいけど、心配そうなこと言っちゃってるけど、なに急に張り切りだしてるのしらって、この人、やっぱりうれしそうだっていう。
「娘が学校に行かなくなってしまいまして」
「いじめが、原因だとおもうのですが……」
「どうしたらいいんでしょう、先生……ううううっ」
 精神科でのママの活き活きした感じ、母親の使命に燃えています感ったらねえ、もうおかしいくらい、でもそれに合わせてあたしも嬉しい、ママがこんなにも喜んでくれるのかと思えばやりがいだってあるって、学校に行かないで済むんならリスカのひとつふたつ、どうってこと無いじゃん。


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