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わるい娘、メンヘラビッチとの出会い
【学園物 官能小説】

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あたしのママは変な人-2

「あらこんにちは、学校の遠足?」
 順子の前でアサリをとっていた舞に声をかけてくる人が居て、大きな麦わら帽子で顔がよく見なかったんだけど、そのぞっとするような声でもしかしてっておもってしまうと、一気に心臓がどっきんどっきんしてくるの、体が硬直して金縛りにあったみたいに全然うごけなくなっちゃうの、恐くて仕方なかった。
「はい、そうです」
「あら、元気いいお返事ね、青海中学の生徒さんよね?」
「はい、そうですけど、青海中学ご存知なんですね?」
「ふふふ、今時の中学生には見えない礼儀正しさとその体操着のマーク」
「そんなことは……」
「あなたお名前は?」
「え、舞です、人鳥谷舞」
「人に鳥に谷間の谷で、ひととのやさんかしら?」
 ど、どうしてこんなトコにママが居るの? 決まってる、ママは先回りして、順子のことを見ていたんだ! しかもお友達があたしのママだってことを知らないってことまで計算して、よりによって仲良しの舞と仲良くなろうとしてる!
「す、凄いです、初めて苗字を言ってもらえたわ!」
「なにかもう他人じゃないみたいね? 舞さん潮干狩り、頑張ってね」
「はい! ありがとうございます!」
 舞のテンションが上がっているの伝わってきて、寒気すら覚えたわ。ママってこういう人と仲良くなっちゃうスキルが無駄に高くって、あたしを異常にイラつかせて、超えて欲しくない壁を簡単に飛び越えてくる。一応はあたしとは他人の知らない振りはしてくれたけど、とにかく何をしてくるのか予想なんか出来ない逆らうことなんか考えもつかない、それでいて時に酷く優しいところがあるママなの。
 採ったアサリを計量してもらい、1キロを家に持ち帰ることに(学校の遠足と言えども、結局のところ買取りと一緒、こういうところが千葉ってせこいのよ)、半分キレながらママに尋ねる、パパが居なくて誰も守ってくれなくても、今回は我慢できなかった。
「ま、ママさ、今日潮干狩りに先回りして、な、なかった?」どもるというか、恐くて声が震えてしまう。
「だって心配じゃない、順子ちゃんのこととか、ちゃんと日焼け止めは使った?」
「う、うん、使ったけど、あの、その、そういうことじゃなくて……」
「三番瀬ってアカエイとか居てね、刺されたりしたら恐いのよ! だから心配で心配で、お薬持ってきてたりしてね、アサリ持ってきてるんでしょう、砂抜きしないとね、それより舞さんて娘素晴らしいわね! あんなにかわいらしくてはきはきした娘が順ちゃんのお友達と知ってママ安心したのよ、またイジメにあっていたりしやしないかって、だから彼女の電話番号調べちゃった、彼女とはもう仲良しになったんだし、いいでしょ順ちゃん」
 もうこの人の愛情からは逃げられないと、諦めるしかないのって悟った、でもどうにかして順子の友達と仲良くなろうとするのだけは避けたい……
「ママが心配してくれるの……わかったわ、だけど学校のお友達と仲良くなろうとするのだけは止めて欲しいの、もう遠足に付いて来たのはありがたかったし、そういうこと文句言わないから」嘘だった、ホントはママに遠足についてきて欲しくなんかない、だけど順子の他のお友達と仲良くなって、他の家の家族と知り合いにでもなったことを想像すると、気が狂いそうになる、もしかして自分の家は他の家と比べて何かおかしいとちょっとでも想像するとどん底の真っ暗闇に感じるのじゃないかとかを考えたくなかったの、そんなときに普通の家の子を演じること考えただけでエネルギーも精魂尽き果ててしまいそうなのよ。
「やっとわかってくれた? でも折角仲良しになれたのだから別におかしいことじゃないでしょ? 家族同士お付き合いしたっていいと思ってたのに」


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