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よだかの星に微笑みを(第一部)
【SF 官能小説】

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ひいなさん-1

バイト先が新装開店した。久しぶりに行ってみて驚いた。いわゆる食堂だった所が、ビーガンカフェになっていたのだ。
「ラーメン屋が寿司屋に変わるより極端じゃないですか。」
支配人に言ったら
「最近は変わったものの方が目立つからな。日本じゃ菜食主義の人は暮らしにくいそうだし。」
「菜食の人自体少ないんですよ。支配人も違うでしょ。メニューとか、誰が考えてるんですか。」
「俺は違うけど、うちの妻がそうで、いろいろ知ってるんだ。あ、メニュー覚えとけよ。」
支配人は気さくな人だったから、バイトの俺にも気軽に話してくれる。根性のない俺がウエイターなど続けてこられたのも、支配人と、もう居ない高橋先輩のお蔭だった。
「奥さんがビーガンて、初めて聞きました。」
「春に再婚したんだけどな。」
「ビーガンじゃ、なおさら珍しくありませんか。」
「ドイツ人だ。」
「どこで知り合ったんですか。」
「取引先の畑。」
「ドイツ人なんか居るんですね。」
「いや、あれだよ。農家の手伝いをしながら世界中を旅行する何とかっていうシステムで来てた大学生だ。」
「大学生?」
四十過ぎの支配人はにやけていた。
確かに、ここの店は食材には気を遣っていて、各地のオーガニック系農家や会社などと取り引きが多いとは聞いていた。
まあ、俺はバイトの身だから、文句も意見も言う筋合いはない。しかし、仕事というのは、人が変わらなくても、内容ががらりと変化する事があるのだなと知った。
賄いもビーガン食か。肉も乳製品もないが値段は高い。それが只で食べられる。俺の食生活も、ある意味贅沢になったものだと、思うことにした。


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