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よだかの星に微笑みを(第一部)
【SF 官能小説】

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ひと夏の経験-3

暇に暮らすはずが、あの虫らのせいで予定が狂ってしまった。 気にせずに居られなくなってしまった俺は、動物の問題についてまじめに勉強してみようと思った。気になり出したら止まらなくなるのが俺の欠点でもあり、長所でもある。
ハクビシン、シカ、イノシシ。彼らはいわゆる害獣を連れ去っているらしい。俺の浅はかな知識では、この次はブラックバス、カラス、アライグマ辺りだろうか。ゴキブリや蚊はどうなのだろう。野良猫や捨て犬は? 連れ去るのでなく、周囲の人間環境を破壊する方向にあいつらが動くことはないのだろうか。
いつか飲み屋で交わした話を、俺は理論的にまとめてみたくなった。的は環境問題と生命倫理あたりだろう。
ところが、調べ始めたら、問題を扱う視点が多岐に渡っており、自分はどんな立場にあり、何をどうしたものか、甚だ捉えにくいのだった。つまり、切り口がなんだかよく分からない事がよく分かった。
結局、俺は何も行動に起こさず、夏休みは終わった。


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