淫虐-1
「ご主人様の大切な精液だ。ありがたく飲み干せよ」
「下女のお前たちにはもったいないぐらいだ。感謝を忘れるな」
一発抜いたことで余裕がでてきたのか、男たちは口も滑らかだ。聡明な美女二人を言葉で追い詰めていく。そんな屈辱的な暴言に耐えながら、女たちは生臭い粘着性の液体を胃に流し込んだ。あまりのおぞましさに嘔吐を催した千佳だったが、必死にこらえた。
ふと見るとセミヌードの舞依がそこにいた。しかもふくよかな乳房にはきっちりと縄が食い込んでいる。
「ひどい・・・。私が犠牲になれば舞依は助けてくれるって・・・」
「言ったさ。だからこの程度で済んでるんだろ。本当なら素っ裸で天井から吊り下げられているところだ」
ヤクザさながらの竜也の恫喝に、女たちは身を寄せ合って震えていた。
「室長さんよ。そのお嬢さんを丸裸に引ん剝いてくれ」
女たちの白くて滑らかな背中を見比べながら男が言う。
「そ、そんな・・・。無理です」
「無理なら俺たちが脱がすまでよ」
悟が追い討ちをかけた。
「何を今さら正義ぶってるんだ。毎週のようにレズってるのは知ってるんだぞ!」
「女同士シックスナインとかしてオマンコ舐め合ってるんじゃねえのかッ!」
あまりに下品な言い掛かりに、千佳が抗議の声を上げようとしたその時
「私はレズなんかじゃありませんッ!」
舞依だった。
「言うことを聞かないとこの会社に居られなくなるわよって室長が脅すから・・・」
意外な言葉にしばし沈黙が流れた。男たちがその静寂を破る。
「おいおい、それってパワハラじゃねえの」
「会社に居られなくなるのは斉木室長じゃん」
さらに舞依が続けた。
「私、この仕事好きだから・・・。だから、その・・・室長に強引に迫まられれば・・・」
千佳は押し黙ったままワナワナと震えていた。
「室長のことは尊敬しています。憧れの存在なんです。でも夜のお相手だけは嫌なんです。私には彼がいるんです」
よほど辛かったのだろう。吐くようにまくし立てた。
「部下にセクハラかよ」
「っていうよりレイプじゃねえの。女が女を犯すっていう・・・」
「週刊誌が飛びつきそうですね」
「ああ、タイトルは『地に落ちた名門角紅物産・女危機管理室長が女性部下をレイプ!』なんてね」
「『角紅物産に吹き荒れるハラスメントの嵐!人妻危機管理室長が女性部下を弄ぶ!』なんてのはどうです?」
「危機管理室長に危機感なし!女性部下にレズを強要!」
「モラルなき一流企業!昼はセクハラ抑圧セミナー、夜は部下を暴圧!」
アッハッハッと男たちの高笑いが済むと、千佳が口を開いた。
「ごめん舞依。あなたがそんなに苦しんでるなんて、少しも知らなかったわ」
悲痛な声を絞ると、舞依に向かって深々と頭を下げた。
「いいんです室長。この人たちに脱がされるぐらいなら、私は室長に脱がされたいです」
若い女子社員にとって、千佳は憧れの存在だった。二十代の若さでリスクマネジメント部の室長に抜擢されると、仕事はもちろん部下への面倒見のよさも手伝って、皆の信頼を勝ち取っていた。おまけにこれだけの美貌だ。
(斉木室長のようになりたい)
若い舞依にとって、千佳はまさに理想の人間なのだ。
「ありがとう舞依。こんな私を許して・・・」
「室長・・・」
二人は唇を重ねた。それはすぐに濃厚なディープキスに変わり、舌を絡め合い、吸い合った。
「おいッ!」
竜也の怒鳴り声で女たちは夢から覚めた。
「お前たちが楽しんでどうするんだッ!俺たちを楽しますんだッ!」
「は、はい・・・」
千佳は舞依のパンツスーツのホックを外し、ゆっくりとファスナーを下ろした。