愛憎睾丸めぐり-12
初日の挨拶から男の実習生が体調を崩したということで、その分の実習は取りやめになったと清流は聞いた。挨拶だけだったから、そんなものかと、特別、感慨もない清流だったが、その晩、蝶子が清流の家に来た。しかも今日から四週間世話になるのだと言う。夕食の後、蝶子は清流の部屋に、話があると言って入ってきた。
「清流君、実習生のことだけど」
蝶子は、包容力のありそうな大人の雰囲気を漂わせ、ヨハンナや同級生とは違った女の体臭を放っていた。
「良弥の体調、本当のこと教えてあげる。」
「どうしたの?」
「ヨハンナって外国人の子、清流君と付き合ってるのね?」
「うん。」
聞かれて清流は何となく誇らしかった。
「どんな子?」
「え、頭がいい。女子の友達はいないみたいだけど。俺には優しいかな。」
「もうセックスした?」
清流はどきりとした。女のいとこからそんな言葉を聞いた清流は顔を赤く染めて、ためらった。
「したのね。やりたい歳頃だもんね。あのね、良弥ね、あの女の子に大事なところ、だめにされちゃったの。」
「大事なところ?」
「た・ま」
「え?」
「金玉よ! 二つとも潰されちゃったの。あたし、病院行ってきた。一つはもうだめかもしれないって。」
「そんな馬鹿な!」
「前にもあの子にされた事あるんだって。ほら、暫く入院してた時あったでしょう?」
「二人が知り合いな訳ないじゃん。」
しかし、今日、ヨハンナは一時間目が終わると早退していた。学校に救急車が来たので、ヨハンナかと想像しもしたが、あれは良弥だったのか。
「良弥は悪い癖もあったの。玉に怪我したっていうから、その時はいい気味だと思ったし、同時に男性の気持ち、もっと、あたしが考えてあげれば良かったって思った。治ってからは前より仲良くなった。今は二人とも結婚するつもりなの。」
どこでヨハンナに会い、そんな事になったのかの答えにはなっていない。清流は話を飲み込めないままだった。
「あたし、女としてあの子を許せない。清流君は女の子に急所潰されたい? 痛いんでしょ? 死んじゃうかも知れないんでしょ? あたしが清流君の金玉潰したら、あの子はどう思うかな。」
言うと蝶子は近寄って、ジャージ姿だった清流のズボンに手を掛けた。
「何するの?」
言葉の終わらぬ間にパンツごと引き下ろされていた。袋の根元から括るように、女の細い指に捕まえられた。
「細くてロケットみたい。なんか、綺麗な色なのね。良弥より玉が小さくて硬いみたい。」
「い、痛い!」
「良弥はもっと痛かったんだよ。清流君、彼女に伝えてあげて。」
蝶子は力を込め始めた。清流は、苦しさに何もできない。
「!」
もうだめだと思ったとき、蝶子の手から力が抜けた。
「興奮してきちゃった。あの子もこんな気持ちだったのね。」
ぐたりと動けない清流の前で、平然と、蝶子は衣服を脱ぎ出した。
二十二歳の蝶子は、幼い異性を凌辱し尽くした。女っぽくにおういとこの体液に顔中まみれながら、心は辟易した思いの清流に反し、体の方は延々と射精して止まらなかった。