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約束のピンキーリング
【女性向け 官能小説】

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-8


触れるか触れないかのキスをして
そっと顔を離した。

私の目にどんな色が映っているのか確かめるように鋭い視線を私に投げかける。

イヤじゃない・・・

きっと嫌な相手だとしたら
どんなに酔っていようと、セックスはしない。

それはきっとどの女でも同じだと思う。

オンナは本能で好きなオトコを嗅ぎわける。

私の目に映った、キスを受け入れる色を読みとって
岡本主任の鋭かった視線はホッとしたような視線に変わる。

もう一度ゆっくりと近づいてきたその唇に
触れる一瞬前に私はそっと唇を開く。

ほんの少し開いた唇に、分かるか分からないかぐらいの身体を揺らしてビックリした岡本主任は
そのままゆっくりと私の中に舌を際し入れた。

唇を舐めて
歯列をなぞって
やっと辿り着いた私の舌に自分の舌をからませる。

そのゆっくりな行為は、思った以上に色っぽくて
今まで経験したどのキスよりも感じた。

次第に大胆になって行くその舌は
道端だということも私に忘れさせて

もっと―――

言葉に出さなくても、岡本くんの腰を抱きしめる両手の力で伝わった。

不意に、唇を引き離されてそのままギュッと抱きしめられる。

「中村さん、また俺の事お持ち帰りして」
「・・・・」

何も言わない私に苦笑いをして

「だめ、だ。これ以上一緒にいたら離せなくなる」
「・・・」

「また明日な」

そう言って、私を駅の改札の向こうへ送り出した。



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