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[有害図書]
【鬼畜 官能小説】

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[有害図書・後編]-2




『あ〜、泣かないで泣かないで。怖いコトなんてないんだから』

『そうだよ。オジサン達は君が大好きなだけなんだから。一緒に居たいだけなんだからさあ?』

(………ッ!?)


抱きとめられた愛の眼前に、一冊の雑誌が開かれて突きつけられた……その見開かれた誌面の右上に、信じられない写真が掲載されていた……。


(……こ、これって…わ、私…ッ!?)


そこには夏服の白いセーラー服を着た愛と亜季が載っていた……ぼかしてあっても判るバス停近くのコンビニに、有名なラーメン屋の看板….…自分達姉妹の所在を特定するに足る情報が、その雑誌には載っていたのだ……。


『ほら、ちょっと読んでみて?『都内某中学校に通う美少女姉妹を発見!アイドルの原石は此処にいた!』ねえ、凄い持ち上げっぷりだろう?』

『クールでボーイッシュなお姉ちゃんは虐め甲斐がありそう。このムッチリボディーは緊縛向き。96点……私なら100点あげますけどねえ?』

『妹も高評価ですよ?『小動物系美少女を飼育出来たら毎日が楽しそう。バイブをお尻の穴に入れてあげたら尻尾みたいに振って喜ぶかも。97点』まあ確かに可愛いロリッ娘ですからねえ』


こんなにも汚らしい℃G誌が平然と売られている事に、愛は愕然とした……他人のプライバシーを勝手に切り取って売り払い、侮辱の限りを尽くしたコメントを貼り付けて掲載する……下劣で下品で下等な連中に煽られた異常者が、自分達の生活圏内に忍び込んでいた事が今更ながらに恐ろしく、ならば亜季が今どうなっているのかと思うと背筋が凍っていく……。


「……亜季は…?あ、亜季は無事なんでしょうね…?」


知ってしまうのが怖い……しかし、知らないままではいられない……いくら普段は邪険に扱っている妹だとしても、血を分けた掛け替えのない家族である事に変わりない……唇は震え、歯はガチガチとぶつかる……それでも姉は臆しながらも気丈に振る舞ってみせる……。



『へぇ〜、妹の名前は亜季ちゃんて言うのか。亜季ちゃんならお持ち帰り≠ウれたよ?君が指差した1BOXに乗せられてね』

『アイツら、なんでも亜季ちゃんを連れ帰るためにアルプス山脈を越えて来たとか言ってたな。あの三人組、何処まで連れて行ったのやら』

「………ッ!!!!」


やはりあの車体の揺れは、亜季の抵抗が起こしたものだった……ほんの数メートル先で助けを求めていた亜季を助けてやれなかった悔しさに、愛の鼻筋はツーンと痛くなり、そして凛とした瞳からは涙が溢れた……。


「亜季を…ッ…亜季を返してッ!返してよお!」


同じ裏道で同じ犯行に及んだ奴らが、別々のチームであるというのが信じられなかった。

嘘を言っている。
自分を虐めたいが為に嘘を言っている。

愛はこれ以上好きにさせるものかと精一杯に凄み、殴られても蹴られたりしても構わないとばかりに「返せ!」と叫んだ。


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