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[有害図書]
【鬼畜 官能小説】

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[有害図書・後編]-3

『あのさあ、オジサンの話を聞いてる?亜季ちゃんは別の奴らに連れてかれたの。だいたいアイツらと会ったのも今日が初めてなんだから』


『いきなり『今日は《ペット》を連れて帰る』とか言ってくるんだよ?驚いたなんてもんじゃなかったね。それに亜季ちゃんが拉致されたって騒ぎになったら愛ちゃん≠拉致出来なくなるだろう?私達も焦りましたよぉ』

「!!??……なんで…!?なんで私の名前を…ッ!?」

『あ〜悪い悪い。実は寝てる間にカバンの中をちょっとねえ〜?』


一人の男が愛の通学カバンを持ち出すと、その中から一冊の厚い書物を掴んで放り投げた……それは愛の大切な宝物……尚人とやり取りしている日記帳だ……。


「なッ!?何してんの…?ちょっと何してんのよぉッ!?」


驚愕と戦慄が交互に繰り出され、愛の心はごちゃ混ぜに掻き回された……自分は拉致され妹は連れ去られ、そして交換日記の中身を読まれて……ここまでされて黙っていられるほど、愛の気持ちは弱くなかった。
まだ幼さの残る少女であっても、家族を想う気持ちと人を好きになるという感情は、些かも成人に劣りはしないのだから。


『何してるって?愛ちゃんと尚人君の交換日記を読んだだけだよ?』

「か、勝手に読むとかサイテーじゃないッ!!見世物じゃないわ!早く返してよぉ!!」

『ほうほう、これが世に言う交換日記というヤツですかあ?私には経験が無い代物なので興味が湧きますなあ〜?』

『実は私も未経験でして……おほッ!?これは恥ずかしいポエム≠ナすねえ』


尚人にだから自惚れてみせたのだ。
尚人にだから秘めたる想いまで打ち明けたのだ。
それなのに……。


『これは声に出して読みたい日記ですねえ……え〜と、「尚人 & 愛(LOVE)」だってさ?へぇー自分のコトを「ラブちゃん」呼ばわりかあ〜』

『どれ、私にも読ませてください……「昨日はビックリしちゃった。私、どんな顔してたか覚えてないんだけど、尚人さんから見て可愛く見えてたらイイなあ」……ププッ!?ちょっとお、二人でナニをしちゃったんですかあ?』


赤面しながら書いたキスの思い出までも、男達の好奇心の前に暴かれた……笑われながら生皮をひん剥かれた乙女心は激痛を発し、抑えきれないくらいに胸が痛んで苦しくなる……。


「な…何がッ…お、可笑しいのよ…!サイテーのクソオヤジのくせにぃッ!」


部屋の中は爆笑に包まれている。
嘲りしかない笑顔が現れては消え、そして新たな笑顔が愛を傷つける。
その精神構造が未熟で幼稚な男達を殴ってやろうと愛は足掻くが、抱き締めてくる腕を跳ね退けられるだけの筋力は備わってはいなかった。



『プププッ!愛ちゃんと尚人君は昨日ナニをしたんだい?Aかな?それともCかなあ?』

『エヘヘへ……やっぱりお家に帰ってからオナニーしたの?「尚人さんとエッチなコトしちゃったから、愛のお股のラブちゃん≠ェムズムズしてきちゃう」なんて思いながらクチュクチュさせたんでしょ〜?』

「な…ッ…なに言ってんのよ…!?」


ニヤニヤと笑いながら吐き出される質問は、同級生男子が話している下ネタを問題にしない程に下劣で悍ましかった。

どんな気持ちでこんな台詞を吐いているのかと考えるだけで鳥肌が立ち、自分の両腕を捕らえている男の腕が怖くて堪らなくなってくる。


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