2日目の濃厚-7
「麻夜の部屋に比べると狭くて汚いけど…」
麻夜を部屋に上げると浜野はまずそう言って頭をかいた。
「でも思ったより全然綺麗だよ?食器も溜まってないし、ゴミも散らかってないし…」
汚いと言っても、脱ぎっぱなしの服や本などが片付けられていないだけで、決して不潔、不衛生と言う訳ではなかった。
「洗いもんをそのままにしたり、カビとか生えてたりするのが嫌いで、掃除とかは結構マメにやってるんだけど、どうも片付けるのが面倒で、さ…」
「ううん?しっかりしてるんだね、浜野クン。見直した♪ってゆーか、また惚れたぁ♪」
浜野に抱きつく麻夜。浜野は、いやー、と照れるばかりであった。
「じゃあ浜野クン、休んでて?私が片付けてあげるから♪」
「あ、いいよ。後で自分でやるから。」
「いいのいいの♪」
麻夜はまず脱ぎっぱなしの服を畳み始めた。
「…あーん、浜野クンの匂い、好きかも…」
パジャマを畳んでいた麻夜がいきなり嬉しそうにそう言ってパジャマを顔につけ匂いを嗅いでいた。
「く、臭いから…」
「臭くないよ。クンクン…、あーん、たまんなぁい♪」
そんな麻夜に少し引いた。
(や、ヤバい人なんか、この人…)
思わず唖然としてしまった。
「あ、ごめんなさい…、つい…。でもなんか、これが浜野クンのフェロモンなのかなぁ…。なんか…。」
急に真顔になった麻夜だが、直ぐに照れ笑いする。
「じゃなくて、片付けないとね…。」
麻夜は気を取り直したかのように片付けを始めた。
が、いきなり見つかった。
「ん?あー、エッチなDVD発見〜♪」
「あ…」
毎日見るので基本片付けず何枚も床に放置している。それらを拾い上げ次々にタイトルを読んでいく麻夜。
「OLセックス調教…、輪姦された美人人妻OL、美人OL折檻日記…、OLぶっかけ100連発…浜野クン、OLばっかだね…、アハッ」
「い、いやー…ハハハ…」
もはや笑うしかなかった。DVDを見る麻夜も恥ずかしそうだった。
「ねぇ、片付け落ち着いたら一緒に観よっ?」
「えっ…?」
「私、観た事ないから、どういうモノなのか観てみたかったの。それに色々勉強したいし…。ねっ?」
「う、うん…」
それからの麻夜の片付けるスピードは速かったような気がした。部屋は片付けられ、DVDだけ机の上に並べたが、軽く20枚はあった。
「いっぱい出てきたね!アハハ…」
麻夜はAVのDVDを前に恥ずかしさを隠すかのように大げさに笑ってみた。