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悠子
【その他 官能小説】

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悠子-19

 「君は素直じゃないな。事実をありのままに受け止めようとしないんだね」
 「何言ってるの。ありのまま受け止めてるじゃない。全然相手にされてなかったのよ」
 「まあいい。結局後になって本当に結婚したんだからな。ザマアミロ」
 「ザマアミロって何ですか。私がマスターのライバルで奥さんと結婚したがってた訳じゃ無いですよ」
 「それはそうだ。女同士で結婚したらおっぱいが2つ余る」
 「また。もうマスターは女の話になるとおっぱいばっかりね」
 「まあ君も十分大きいんだ。誇りに思っていいよ」
 「そんなこと全然思ってもいない癖に」
 「いやいや、まだ揉まれ方が足りないだけなんだろう」
 「ピンサロで十分揉まれました」
 「それにしてはあれだな」
 「それにしては何ですか?」
 「いや、こっちの話だ」
 「それにしては小っちゃいって言いたいんでしょ。分かってます」
 「そんなこと言ってない。大きいよ、凄く」
 「もういいです。この前私が怒ったから神経質になってますね?」
 「いや、誰にも人のプライドを傷つける権利なんか無いんだから」
 「あのね。 いいですかマスター。私は自分のおっぱいが大きいからプライド持ってるなんてことありません。こんなのプライドと何の関係も無いわ。大きすぎて厭だなって思ってるくらいなんだから」
 「大き過ぎてねぇ・・・」
 「ちっとも大きく無いぜって言いたいんでしょ?」
 「いや別に」
 「いいの。もうマスターの大きいって言うのがどのくらいのことを言うのか分かったから、マスターに小さいって言われても腹を立てたりしないわ」
 「そうか。まあ世の中にはいろんな男がいるさ」
 「本当ね」
 「今に君の胸見てグワッと思う男も出て来るさ」
 「馬鹿。そんな男要らないわ」
 「君は一体何処を褒められると嬉しいんだ?」
 「それは人間性を総合的に見て褒めて欲しいです」
 「人間性を総合的に見てねぇ。何かそれじゃ大がかりな心理分析テストでもやって『ハイ君のテスト結果は80点でした。素晴らしい成績です。おめでとう』って言ってるみたいな感じになるな」
 「なんですか? マスターは本当に変わってますね。外見でなく中身を見て欲しいって言ってるだけなのに」
 「あのさ。屁理屈じゃ無いよ。言葉尻をとらえているんじゃ無いんだから、そのつもりで落ち着いて聞いて欲しいんだけど、中身って要するに性格のことだろう? そんなの目に見えるか? 外見は確かに目に見えるから嘘言ってんじゃ無いってことが分かるけど中身なんて目に見えない物褒めても嘘言ってるのか錯覚してるのか、誰に分かる?」
 「嘘でも錯覚でもいいんです。おっぱい褒められるより可愛いね、優しいねって言われる方がよっぽど嬉しい」
 「可愛いねってそれは顔のことだろう? 外見のことじゃないか」
 「違います。性格が可愛いねっていうこと」
 「まあ、君の言いたいことは分かる。分かるんだけどまだやっぱり若いんだな、人間観察が足りない」
 「あらっ。どういう風に人間観察が足りないんですか」
 「人間っていうのは誰でも可愛い所があるし、誰でも厭らしい憎らしい所がある。可愛いだけの人はいないし、憎たらしいだけの人もいないんだ。だから可愛いと言われたら、それは君が君の可愛い面をその人に見せてるっていうだけなんだ。あるいは、逆に言えばそいつが君の可愛い面だけを見ているっていうことなんだ。分かるかな?」
 「そんなこと分かりますよ」
 「だろ? だったら良く考えてごらん。そいつが君のことを可愛いって言ってるのは君のこと好きだよって言ってるのと変わりないんだよ。だって誰でも可愛い所とそうで無い所を持っているのに可愛い所だけを取り出して可愛いよって言うのはそういうことになるだろう? 好きだからそういう見方をしているってことだろう? 僕は君の可愛い面だけしか見てないよ、その他の面は気にしないよって」
 「それって何か変なことなんですか? そういうのが人を好きになるってことなんじゃありませんか?」
 「だから、中身を褒めるっていうのは、君を好きだよって言うのと変わりないっていうことさ」
 「そうですよ。それが何か悪いんですか?」
 「悪く無い。僕が言ってるのは、中身を褒めるのは褒めてるんじゃなくて好きだよって告白してるだけのことだよって言ってるんだ。だから女を褒めるっていうのは必然的におっぱいが大きくていいねとか、ケツが生唾もんだぜとか、脚が綺麗だねとか、そういうのになっちゃうんだっていうことを言ってる」


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