投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

悠子
【その他 官能小説】

悠子の最初へ 悠子 0 悠子 2 悠子の最後へ

悠子-1

 店を閉めて家に戻ったのが3時半。簡単に食事してゴミを出しにビルの下に降りていったのが4時。スナックを経営している光太としてはいつもの通りの行動パターンだった。いつもと違うのはもう人通りなど全く途絶えている真冬の深夜だというのに、ビルの玄関に女の子がだらしなく座り込んで寝ていることであった。取りあえず玄関わきのゴミ置き場にゴミを置いて戻ると覗き込んで様子を見てみた。女の子はもぞもぞと動いており、眠っているというより酔いつぶれているのだった。
 「そんな所に寝ると凍死するぞ」と声をかけたが、答えない。いや、そうではなくて酔っている為に極端に反応が遅くなっていただけのようで、暫くしてから途方に暮れていた光太の方に向かって食いつくような調子のわめき声を上げた。何か言ったのかも知れないがろれつが回っていないので全然意味が取れない。女の子はそれから漸く光太の顔を判別したようで、急に勢いを失って又だらしなく壁にもたれてしまった。声を掛けた光太を誰かと間違っていて、そのことに気付いて興味を失ったという感じだった。
 再度声を掛けたがもう全く反応しない。6時頃になれば誰か通りかかる人もいるかも知れないが、ミニ・スカートに腰までも無いような短いフェイク・ファーのコートという姿である、それまで放って置いたら本当に死んでしまうかも知れないと思った。もう1度どうしようか考えてから、仕方ないと呟いて女の子を抱き上げて自分の部屋に連れていった。
 大柄な女の子では無いが、正体を失った体はぐにゃぐにゃとして重心が定まらず重かった。自分の部屋の玄関わきの板張りの居間にそうっと下ろした時には息が上がっていた。一休みしてから改めて良く見ると、可愛い顔をしている。しかし戻していたようで、顔にも服にもべっとりと吐瀉物が付いている。気温が低いから匂いがしなかったのだろう。タオルを濡らして顔や首を拭いてやり、服は脱がせて簡単に水洗いしてから洗濯機に放り込んだ。パンティ・ストッキングは汚れているだけでなくかなりあちこち伝線していたから、ポリ袋に入れて捨てた。洗剤を使って服を洗うのは明日でいいだろう。
 パンティ・ストッキングとワンピースを脱がせてしまったので女の子はパンティだけになってしまった。ブラジャーははじめからしていなかった。まさかパンティを脱がす訳には行かないと思ったが良く見ると濡れている。少し鼻を近づけて嗅いでみるとどうやら失禁していたらしい。
 誰も聞いていないのに「変なことするんじゃ無いからね」と言ってパンティも脱がせて水でざっと洗って洗濯機に入れた。もう、事のついでだから遠慮してもしょうが無いと思い、お湯で絞った濡れタオルで体を拭いてやった。「股間は・・・やっぱり拭かない訳にいかないもんな」と呟やきながら拭いてやった。それから光太のトレーナーを着せてやりベッドに運んだ。
 電気敷き毛布は帰ると直ぐにスイッチを入れたのだが、酔っているから体温は高くなっているはずなので、スイッチは切った方がいいだろうと思って切った。セミダブルだからベッドは2人でも十分寝られるが「まさか一緒っていう訳には行かないよな」と呟いて毛布を出してソファーに寝た。1人で暮らしていると何でも声に出して考える癖が付いてしまうのである。しかし30分も横になっていると寒さが身に染みてきて到底寝られそうにない。「酔っぱらって熟睡しているのだし、何もする訳じゃないし、第一これは僕のベッドなんだから」と言ってからベッドに入った。案の定酔って体温が上昇しているのだろう、電気を切ったのに布団の中は別世界のように暖かかった。
 いつものように昼頃目を覚ました。目覚めた時、隣に女が寝ているというのは実にいいもんだなと思ったが、別に自分の女房でも何でも無いんだったと思い直してベッドから出た。近くのコンビニでアップル・ジュースとパンを買ってきていつものとおりの簡単な食事をしていると女の子が起きてきた。うつむき加減に辛そうな顔をしているのは二日酔いで頭が痛いからだろう。
 「此処は何処ですか? あの、おじさんは誰ですか?」
 「此処は誰? おじさんは何処って言わないだけまだましだな」
 「あのー、どうして私は此処にいるんでしょうか? 昨日おじさんと飲みにでも行ったんですか?」
 「まあ、あれだけ酔っていれば何も憶えていないんだろうな。君はこのビルの玄関で酔いつぶれて寝ていたんだ。そのままだと寒くて凍死すると思って連れて来た」
 「あのー、何かしたんですか? あっ、別に何されたとしても文句言う気は無いんですけど」
 「まあ、とにかく座ったら。何かしたかと言うのはセックスとかそんなようなことを聞いているんだろう?」
 「ええ」
 「何もしていないよ。服を脱がしたのは吐いた物で汚れていたからそのままという訳にいかなくて脱がせたんだ。下着はまさか脱がせるつもりは無かったんだけど、見たらおしっこしたみたいで濡れていたから仕方無く脱がせた。服と下着は昨日ざっと水洗いして洗濯機に入れといたから、今日洗剤を使って洗えば綺麗になると思う。パンストは汚れていたしズタズタに破けていたから捨てた。そこのゴミ袋に入っているから、持って帰りたければどうぞ。それからコートは吐いた物で汚れていたからそれは水で落としたけど、僕が洗うと駄目にしてしまいそうなんで、濡れたままポリ袋に入れてある。後でクリーニングに出すといい」


悠子の最初へ 悠子 0 悠子 2 悠子の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前