オークション出品のⅯ女の吟味と作戦 ２-1
オークションで落札したいと決めたＭ女の里紗や悦子も、私と同じくサロンのＳＭ性癖相性度アンケート調査を提出しているはずである。わたしとの性癖相性度の結果の総点数が、それぞれ果たして何点になるのかと気になっている。
そのアンケート調査の結果は、オークションが催される当日に、参加登録手続きを済ました時点で、出品される全てのＭ女の名前部分が空欄にして伏せられ、私とそれぞれのＭ女との性癖相性度点数が表記された一覧表が渡される。その表の最後の欄には、私がサロンの設立時に出資した３００万円にもとづく３００ＰＴの基礎点と、各Ｍ女との相性度の点数とを合算した総点数が載せられているのである。この総点数が、各Ｍ女のオークション時における私の応札できる基礎ＰＴとなる。
ただ、Ｍ女のオークションの順番は、サロンで厳重に管理されており、舞台にＭ女が登場し、事前にサロンから送付されてきたＭ女の写真とそこで照合して、舞台にいるＭ女が誰であるのか判明するのである。
オークション会場の薄暗い灯りと、独特の雰囲気、そして美しく映える舞台の照明効果で、写真では窺い知れないＭ女の表情や動きが、とても魅力的に映えて感じられる。思わず衝動的に応札してしまう恐れは十分にある。事実、私も何回かその失敗をおかした経験をもつ。私は過去の失敗の反省から、今回こそはオークション会場での失敗を繰り返さないと心に誓い、里紗もしくは悦子の獲得に邁進することを決心した。
サロンに出資した会員の誰しもが楽しみにしているイベントは、年に春秋各一回開催されるこのＭ女のインターンシップ奴隷オークションの会の催しである。サロンが、株主招待の特典を真似て考え出したものであるが、いつも盛況で特別な人気のイベントである。もちろん、このオークションは厳重に管理され、会員のみが知る特別の秘密の催事であり、会員にも秘密厳守を求められる。
各会員は、開催までに競馬馬券予想よろしく、どのＭ女を落札すべきかと思いめぐらし、また自分との相性度が一番良いと思われるＭ女を想像する楽しみも重なって、出資会員には興味津々のイベントである。開催がまじかになると胸を躍らせる気分にさせる。
毎回、オークションの終了後には、Ｍ女の落札がかなわなかった会員を対象に、別室でサロン主催の簡単な飲食会がおこなわれる。その飲食親睦会では、次回にはこんな性癖をもつＭ女の参加が見込まれるなどの情報が伝えられたりする。また、現在調教中のＭ女の人数や調教の進み具合、および魅力的な奴隷Ｍ女の調教中のエピソードトークが朋世女王からおこなわれるのも人気となっている。
私は、今までサロン主催のこのオークションでＭ女を獲得できなかった。オークション終了後に、いつも朋世女王の興味をそそられるトークを聞いては、次回こそ何が何でも獲得をと思いながら、帰路につく情けない状態が続いているのである。そんな情けない状態はもう勘弁だと思い、今回は何が何でも目的のＭ女の里紗か悦子を連れ帰りたいとの夢をもって、早々にオークション参加の手続きをとった。