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「美味かったよ、腕を上げたなぁ」
夕食は麻衣が作ってくれた、カレーくらいしか出来ないのかと思っていたが冷蔵庫の中のものを上手く生かしてメインの肉じゃがに小皿も二皿、味噌汁まで手早く作った。
「味噌汁、おふくろのにそっくりだな」
「そう? 最近結構作ってるんだ、お母さんは急いで帰ってきても六時だし、最近疲れた疲れたってよく言ってるから」
「これならいつでもお嫁に行けるね」
「出来れば……」
言いたい事は分るが……。
「それはダメだって分ってるだろ? 俺、麻衣が生まれた日の事だって憶えてるんだぜ」
五歳の頃の記憶なんて断片的で不確かなものだが、その夜、父親に起こされて病院に向かったこと、待合室で何とも落ち着かなかった父親の様子、そして病室に通された時、母親が抱いていた赤ん坊を不思議な気持ちで見たこと、鮮明に憶えている。
「うん……分ってる……」
寂しそうに俯く麻衣を抛っておけず、ソファに移ると手招きした、麻衣は喜んで横に座る。
「麻衣の事は好きだよ、女性としてもね、でも、妹として好きだって言うのもあるんだ」
「……うん……」
「両方なんだから凄くないか?」
「そうだね……あたしもそう、お兄ちゃんのこと、男の人としても好きだし、お兄ちゃんとしても……」
「はっきり言って俺と麻衣に結婚ってゴールはないんだ、でも今はお互いにかけがえのない存在、先の事は考えるのよそう、こうしていられる時間を大事にしないか?」
「うん、そうだね」
唇が重なった……。
「お兄ちゃん、どこで寝る?」
「下で寝ようかな、涼しいし広々してるし」
「一緒に寝ていい?」
「ダメだって言ったら?」
「……泣いちゃう……」
「それは大変、妹を泣かすのは本意じゃないな」
続きになっている八帖間に布団が二つ並んだ……ぴったりくっつけて。
東京では窓を閉め切っては暑くていられないがここでは大丈夫、都会と違って隣の家まで相当な距離もあるので声の心配もない。
布団に横になるとすぐに麻衣がくっついて来た。
「なんだか家で一緒に寝てると小さい頃を思い出すな」
「そうだね」
「これから妹とセックスしようとしてるんだって強く感じるよ」
「……それって……嫌?……」
「近親相姦だからな……」
「……そう……」
「却って興奮するよ」
「きゃっ」
素早い動きで麻衣を組み敷いてキスすると麻衣も腕を廻して来る。
麻衣の性感帯は新宿のホテルである程度確認済だが、じっくり愛撫して行くとぞろぞろ出てくる。
うなじ、肩甲骨、腋、横腹、臍、内腿……ほとんど全身性感帯だらけ、どんどん開発されて行っているのかもしれないが、相当に感度が高い体である事は間違いない。
そして最後に性器に顔を近づける。
わざと性器周辺には触れなかったのだが、それでも蜜をたっぷり湛えている、ふっと息を吹きかけて柔らかい繁みを揺らすとその刺激だけで溢れ出した。
「……お願い……」
「何をお願いなんだい?」
「いじわるしないで……早く……」
「これか?」
ペニスに手を導くと熱い吐息を漏らす、これ以上焦らすのは酷と言うもの、雄介がぐっと挿入すると麻衣は思い切り仰け反って雄介をより深く受け入れる。
雄介は麻衣を抱き寄せて体面座位に取る、麻衣にとっては初めての体位、密着度が高いので雄介も好む体位だが、麻衣もしがみついてきて張りのある胸の感触をたっぷりと楽しめる、そのまま髪やうなじを撫で、時折耳を刺激してやるとその都度麻衣の体が反応するのが直に伝わる。
「感度が良いんだな、麻衣は……びくっとするのが伝わってくるよ」
「あああああ……」
麻衣は言葉にもならない、雄介が下で耳を、そして尻の割れ目をなぞるように指を這わすと麻衣の腰がグラインドを始める……。
「上手だよ、麻衣……その腰の動き、気持ち良くなって来た」
そう囁くと腰のグラインドは更にストロークが大きくなる……このまま搾り取って貰っても良いが、もう少し強い刺激を与えてみたくなる。
雄介はもう一度舞を仰向けに横にすると膝の裏に肘をかけて突き降ろし始める。
屈曲位……女性にとっては元々窮屈な苦しい体勢に加えて、男の体重がかかって深く突かれるので尚苦しい体位、しかし快感も強烈、男にとってもストロークが大きく取れるので快感が強い上に視覚的に征服欲も満たされる、由紀とのセックスでも良くこの体位で締めくくっていたのだ。
既に大きく呼吸が乱れるほどに感じていた麻衣は呼吸もままならない様子だが、まだ開通して間もない膣に締め付けられている雄介も持たない。
「ひぃぃぃぃぃぃっ!!」
「おおおおおおおお!!」
同時に果てると雄介は麻衣の脚を解放し、腕を突っ張って麻衣の呼吸を妨げないように上半身を斜めに立ててゆっくりとピストンして麻衣の余韻を手助けする。
麻衣は激しく呼吸しながら、時折ひくっとひきつけ、その都度雄介を締め上げる。