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「そのチョコを食べ終わる頃には」
【寝とり/寝取られ 官能小説】

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『第3章 そのチョコを食べ終わる頃には』-13

 気づいた時には私と沖田は何も身につけずきつく抱き合っていた。今まで何度もそうしてきたように唇を重ね、舌を絡め合い、脚を交差させながら肌を、もう二度と味わうことのできない、その汗ばんだ肌の感触を確かめ合った。
 そして仰向けになった私の身体を抱きしめながらまた熱いキスをした後、沖田は枕元に手を伸ばした。私はとっさにその腕を掴んだ。
「え?」
「ごめんなさい、最後のわがままを聞いて」
 沖田はじっと私の目を見つめた。
「そのまま来て。最後に貴男と直に繋がり合いたい」
「利恵ちゃん……」
 しばらくの間私の目をじっと見つめていた沖田は、決心したように私の両脚を抱え上げ、何も纏わないその硬く天を指したものをゆっくりと私の身体に挿入させていった。
 今までとは違う甘美な痛みを伴ったざわざわとした快感が全身に走り、私はああ、と甘い声を上げ彼の背中に手を回し、爪を立てた。
 すぐに沖田は腰を大きく動かし始めた。私はすでに上り詰めようとしていた。
「イく! 出るっ! 利恵っ!」
 沖田はその絶頂の瞬間に、私を初めて呼び捨てにした。
「沖田さん!」
 私は涙をこぼしながらさらに強く彼の身体を抱きしめた。
 どくっ、どくどくっ!
 沖田の熱い精液が、その想いと共に私の身体の奥深くに放出され、同時に私の全身に痺れと沸騰した奔流が渦巻いた。
 腰を大きく脈動させながら、沖田は私の背中に回した腕できつく抱きしめながら、耳元で子供のようにしゃくり上げていた。私の目からも止めどなく涙が溢れ、耳介を伝ってシーツにぽたぽたと落ちた。

3−4

「本当に危ないところだったわ。人生と家庭を崩壊させるとこだった」
 利恵は自嘲気味にそう言うと、遼に顔を向けて眉尻を下げた。
「あの……」遼は言いにくそうに言葉を切った。
「ん?」
「その最後の行為で、先生、妊娠したりしなかったんですか?」
「幸いね。時期的には完全な安全日というわけじゃなかったんだけど、もう、そんなことより、なんか強烈にあの人の身体と心をただ求めてた気がする」
「そうなんですね……あ、」
「なに? どうしたの?」
「あの、僕が先生を抱かせてもらった高一の時、」
「うん」
「僕もずっと避妊具を使いませんでしたね。申し訳ないことをしました」
 利恵は一瞬ぴくり、と僅かに眉を動かした。
「今さらなに言ってるの」利恵は笑った。「大丈夫よ。心配しないで」
「でも二週間の間ほぼ毎日のように、その、先生の中にそのまま……」
 遼は赤くなって早口で言った。
「そうだったわね……」
「知識が貧困だったとは言え、もっと熟慮するべきでした。本当にすみません」
 遼は頭を下げた。
「もし、」利恵は一度言葉を切り、テーブルに視線を落として続けた。「私が妊娠してたとしたら、秋月くん、どう思ってた?」
 遼は慌てたように言った。「そりゃあ、もうパニックになってたでしょうね」
 利恵は顔を上げた。
「パニック?」
「高一の時にそんな衝撃的な事実を突きつけられても、僕にはどうすることもできないじゃないですか」
「そうね。確かに。じゃあ高校生じゃなくて、今だったら?」
「え? 今?」
「そう、今。私、実はあの時の秋月くんとのsexで妊娠しちゃってたの、って聞かされたら?」
「どうしてそんな大事なこと教えてくれなかったんですか、ってうろたえるでしょうね」
「うろたえるだけ?」
「ショックも受けたと思います。きっと先生は妊娠したことがわかれば、病院に行って人工中絶手術を受けたでしょうし。間接的にではあっても僕のせいで貴女の身体にそうやって傷を作った、ってことですから」
 利恵は眉を動かした。
「中絶なんかしないで秋月くんとの子供を産んでたかもよ?」
 遼は呆れた様に言った。
「そんなことできないでしょ。ご主人の剛さんがいるんだから。それに、その時はすでに遙生くんが先生のお腹に宿ってたわけでしょ?」

 ――そうか、遼は実習の時にはもう私のお腹に剛との子である遙生がいたと思い込んでいるのか、と利恵は改めて気づいた。


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