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「悪魔の少年」
【ショタ 官能小説】

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E事件の進展-1

E事件の進展



多摩川警部は、聞き取り調査の結果に基づいて松本精肉店を訪れた。
商店街の改革で書店の久永らに対抗するボス的存在だ。
親父は外出中で小柄な二代目が対応してくれた。
「二か月ほど前、殺された久永さんと激しく言い争っていましたね。」
「はい。彼から呼び出しを受けてそこの公園で会いました。」
「どんな話をされたのですか。」
「大手スーパー誘致に関して親父を説得してくれという話でした。」
「どう答えたのですか。」
「久永君の考えも分かるが肉屋にとっては死活問題だよって答えました。
実際、本屋やパーマ屋はあまり影響を受けない業種だと思うのです。」
「彼は何と言っていましたか。」
「でもこのままじゃ衰退の一途でシャッター通りになってしまうのは明白だよって言ってました。」
「それ位の事は私達にも分かります。でもその間、愛着のあるこの場所で商売をさせて頂くことが出来るんです。
親父はいずれ廃業と分かった上でそっちの道を選んだんです。」
「それは酷いよ。僕たちにはこれから先もここで頑張っていかなきゃならないんです。
君からも親父さんを説得して呉れよ。もう既に財を成した親父さんの考えは自分勝手だよ。」
そこまで言われて僕も頭に来たから少し声を荒げてしまったんだ。
「うるさいよ。そんな親父の考えに同調する商人が多いからこそ親父は商店街会長に選ばれたんじゃないか。」
という僕の言葉にも真実があるからだろう。彼は諦めて帰って行きました。
「ところで松本さん。4月20日の夜はどこにいらっしゃいましたか?」
「あの日は仕事の終わった後、銭湯に行って帰りに商店街の酒屋で立ち飲みしていました。
立ち飲み仲間が沢山いるのでそれは証言してくれると思います。
「何時頃まで飲んでいましたか。」「10時くらいに帰ったと思います。」
帰宅後は何処にも出かけてないですよね。」
「ええ。10時くらいに帰宅して何処にも出かけていないのは店の前の防犯カメラが証明してくれるはずです。」
「そうだ。防犯カメラだ。なぜ久永の外出の録画が無いのだろうか。」
早速捜査員は防犯カメラの設置位置を徹底して調べた。
この頃は防犯カメラもまだ十分に普及しておらず駅に近い肉屋の周りには沢山あるが
南の方の本屋の周りにはあまり無いのだ。商店街南入り口の果実店前の通りなど皆無だ。
あっても万引き防止用でレンズは商品棚やレジに向いている。
事件当日も8時過ぎに駅に向かう美容師3人は確認できるが帰って来たのは確認できない。
供述によると11時くらいにタクシーで帰ってきて果物屋の前で降りそこから歩いて帰ったらしい。
久永の深夜の映像がないのは行き先が南だからだろう。
商店街を出て果物屋の角を東へいけば100mで小学校に突き当たる。
だからこの通りを西へ行ったのは間違いなかろう。
この辺りは住宅街でお店はない。防犯カメラを設置しているお宅が一軒あったが二年前から壊れたままだ。
もし久永が遠方に出かけるならば駅に向かうか。南の通りでタクシーに乗るかだ。
久永は運転免許を持っていないのだ。この住宅街のどこかを訪ねていたのかも知れない。
この袋小路に入ってくる流しのタクシーはまずない。近くのタクシー会社は一社だけだ。
そこでの調査では久永を乗せた運転手はいなかった。
ずっと西の大通りまで10分ほど歩いて流しのタクシーを拾った可能性はない事は無い。
だが多摩川は久永の行先はこの近辺だと目星をつけ聞き込みに力を入れた。


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