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美雪
【学園物 官能小説】

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美雪-15

 哲治は暫く勉強してから寝た。布団の中でオナラをした。ブハッと豪快なオナラだが布団で籠もって美雪に聞かれる心配は無い。暫くして何とも言えず臭い空気が首の隙間からあがってきて鼻に入った。「ウーム、臭い」と呟いて渋い顔をしたが、満足だった。水虫で鼻が曲がりそうな程臭い靴下を思わず嗅いでしまうということは良くあるが、自分のそうした悪臭を思わず確認したくなるのは一種の被虐心理であり、別に悪臭が好きな訳ではない。それにオナラの場合には良くぞこんな臭い物が出てくれました、きっとこれで体の中は綺麗になったことだろうという満足感も伴う。美雪はこういう屈折した高級な感情を持っていないから平気で部屋の空気を揺るがしてオナラをし、人に聞かれてしまうのである。その意味では美雪は彼女自身が言ったのとは別の意味だが、オナラの仕方を知らないのである。

 哲治は美雪を柳田に紹介した。柳田が「お前の妹って目茶可愛い」と言っていたのを思い出したからである。ところが柳田と美雪がデートを予定していた日曜に母が急遽退院することになった。退院は月曜にすることになっていたのだが、母が月曜から働きたいと言い、病院はベッドが不足していたから急遽日曜にしようということになったのである。そこで美雪と柳田はデートの前に病院まで哲治を案内するということになった。何しろ1〜2回行ったくらいではとても哲治1人で行くことなど無理だからである。男2人に女1人だから3人は自然に美雪を真ん中にはさんで歩く格好になった。美雪は2人の腕につかまって楽しそうである。時々哲治は美雪の手を振り払うのだが、美雪はいっこうに気にする様子もなく直ぐに又哲治の腕をつかむ。
 「柳田さんはデートの時食事はどうするんですか?」
 「どうするとは?」
 「ご馳走して下さるんですか? それとも割り勘ですか?」
 「ああ、それ位払います」
 「何をご馳走して下さるんですか?」
 「何がいいですか?」
 「今日はサラダを食べたい気分です」
 「サラダと何?」
 「サラダだけ」
 「サラダだけ?」
 「お前何気取ってんだよ」
 「何が?」
 「いつもは豚みたいに食う癖にデートだと気取ってサラダだけにするのか?」
 「失礼な。豚みたいに食べるのはお兄ちゃんじゃない」
 「俺は男だから当然だ」
 「私は普段からそんなに食べないもん」
 「沢山食うと後で何処かが呟くからな」
 「それって何のこと?」
 「いいえ、何でも無いんです。お兄ちゃんの言うことは嘘と冗談と出任せばかりだから気にしないで下さい」
 「嘘と冗談と出任せとは良くも羅列してくれたな」
 「だってそうじゃない」
 「キムチか沢庵でも食っといた方が誤魔化しやすくて便利だぞ」
 「・・・」
 「イテェー」
 「何やってるの?」
 「いいえ、何でも無いんです。今日はお天気が良くて良かったですね」
 「そう言えばスカッと晴れたのは久しぶりですね」
 「お前達まるで爺さん・婆さんだな」
 「何が?」
 「デートしてお天気がどうだこうだなんて普通は言わないぜ」
 「私達は風情と情緒があるから自然に敏感なんです。そうですよねー、柳田さん」
 「え? ええ、そうです、そうです」
 「それでお前達病院の後何処へ行くの?」
 「それは秘密ね?」
 「あー、実はまだ何処へ行こうか考えてないんですよ」
 「ホテルへ行きましょうか?」
 「え?」
 「英語と古文の勉強か?」
 「お兄ちゃんじゃあるまいし」
 「じゃホテルで何するんだ」
 「お兄ちゃんの知ったことじゃありません」
 「それはそうだ。しかし先輩として一つ忠告しときたい」
 「何を?」
 「お前じゃない。柳田にだ」
 「何?」
 「処女とやる時は痛くて暴れるからロープをコンビニで買って縛ってからやった方がいいぞ」
 「馬鹿」
 「何考えてんのよ」
 「お前がホテルに行くと言ったんだ」


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