紅館の花達〜蒼猫花〜-10
『スーちゃん………』
部屋に戻るとスーはベットで泣きまくっていた。
『っ………うぅぅ………』
『ご主人たま、許してくれたんだよ?』
『………でも、あんな悲しそうな紅様………私………うわぁぁぁん』
布団を被って盛大に号泣している。
ウェザの悪い一面、それは正直過ぎることかもしれない。
いくら優しく許しても、目は物凄く悲しいのだから。
『嫌われちゃったのよぉ………私…………』
そっと近寄り、スーを撫でる。 手に伝わってくる振動はスーが泣きじゃくっているから。
『紅様から嫌われたら………私………もう居る場所がないよぉ………』
居場所が無い。
スーは家族を失い、そして売られた。 そんな絶望の中から助けてたウェザからも嫌われたら、スーにはもう居場所が無いということだろう。
『………スーちゃん………』
ゼロはスーから離れて部屋を出る。
しばらくそっとしておこう。 そして、ゼロはある決意を固めた。
夜になり、メイド達が仕事を終えた頃。
『フィルさん! またたび酒頂戴!』
ゼロは食堂に入るなりそう叫ぶ。
『ど、どないしたん? ゼロはん?』
突然のことに驚きながらもしっかりまたたび酒を手に持って現れたフィル。
その手から酒を奪ってコップに注ぎ、一気に飲み干した。
『―――ッウニャハ〜〜〜!!!』
プハァと親父臭い仕草をして、酒をあおる。
まだ残っているまたたび酒の瓶を持ち、クルリとフィルの方を向く。
『ゼロゼロ、行ってきます!!』
『はぁ………気ぃつけてや………』
事情が解らぬフィルはただ手を振ってゼロを見送った。
部屋に戻るとまだスーは泣いていた。
『スーちゃん!』
ゼロは布団を取り払う。
スーはメイド服のまま枕に顔を押し付けていた。
『ゼロ………』
『ウジウジしちゃ駄目!』
とりゃ! とスーを枕から引きはがす。
スーは泣いたため、目が赤くなっていた。
『だってぇ………紅様に嫌われちゃったんだよ?
私………』
『スーちゃんの居場所は、ちゃんとあるよ。
ゼロゼロにはスーちゃんが必要なんだから。』
ゼロはまたたび酒を一口、口に含むと泣きじゃくるスーにキスをした。
『ん!? んむぅ!?』
突然のキスに戸惑うスーだが、慣れているゼロはスーの唇を舌で押し開き、酒を流し込んだ。
『ぜ、ゼロ!?』
『スーちゃん………』
戸惑うスーの手を抑え、一口二口と口移しで酒を飲ませていく。
次第に酔いが回ってきたのか、ほんのり頬に赤みがさしてきた。
『ゼロ………なんで………?』
『スーちゃんが好き! スーちゃんが欲しいの!』
手でスーのメイド服を脱がし始める。
だが、スーの腕がゼロを抱きしめて動きを止める。
『ゼロ、私を必要としてくれるの?』
『うん、ゼロゼロ、スーちゃんに居て欲しい。』
『………嬉しい………』
スーが体を起こし、自分から服を脱ぎ出した。
上着を脱いで、腕で胸を隠しながら恥ずかしがるスー。
『ゼロなら………良いよ。』
腕を退けるとブラジャーも外れて、柔らかそうな乳房が現れた。
『スーちゃん、大きいね………』
そっと乳房を手で掴むが、その大きさはゼロの小さな手では包みきれなかった。
そして、今まで触った中でも一番柔らかかった。
乳房を揉みながら、スーにキスをした。 舌と舌が絡み合い、唾液が音を立てる。
スーもディープキスに慣れているのか、ゼロに負けないように積極的に絡ませてくる。
娼婦館に居たときに覚えたのだろうか?
今揉んでいる乳房も、誰かに揉まれたのだろうか?
『んっ……あぁ………』
固くなりだした乳首を摘み、軽く力をいれてみるとスーはうるんだ瞳でゼロの指を見つめた。
(スーちゃんはゼロゼロのだもん!)
嫉妬の気持ちがゼロの責めを激しくしている。