サバイバルゲーム-3
「どうでした？暁子のストリップは？」
剛田が聞いた。
「うむ。久しぶりに見事な身体を拝ませてもらったわい。じゃが客を楽しませようというサービス精神に欠けとる。何か芸でもしてワシらを楽しませてみろ。そうだなぁ・・・」
あたりをキョロキョロ見回した。先程若い組員が運んできた組長用のお茶。その下にあるトレーに目がとまった。
「裸の男がこれを股間に当ててクルッと回す芸があったじゃろ。それをやってみろ！」
客席から歓声が上がった。
「おもしれぇ。アキコ１００％じゃん」
その芸は暁子も知っていた。夫と見ていたお笑い番組で、下品で低俗だと思いながらもクスッと笑ってしまった思い出がある。それを強要されようとは。
渡されたお盆は直径３０センチ程のステンレス製で、かなり重い。それで脚の付け根を覆い隠し、クルッと回してみせた。体が強張り、どうしても緩慢な動きになった。
「おケケが丸見えだぞ」
「もっと愛想を振りまけ」
男も女も大笑いをして囃し立てた。
「よし、これが最後だ。上手く出来たら加点してやる」
「は、はい」
そう答えたが、緊張のあまり手が震えた。脂汗がジトーッと滲み出た。
「早くせんか！」
組長の声に脅えながら
クルッ！
その拍子にステンのお盆は暁子の両手からスルッと滑り落ち、白木の台に当たり派手な音をたてた。
（ガシャーン）
バウンドしたそれが組長の足を直撃した。
「ううっ！何をしやがる！」
烈火のごとき一喝に、暁子は台上にひれ伏した。
「申し訳ございません。お許しください」
だが組長は
「許さん！減点だ！」
この時点で暁子の持ち点は８に減っていた。