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マドンナ・恥辱の再会
【鬼畜 官能小説】

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サバイバルゲーム最終章-2

「ささッ、組長、どうぞッ!存分にお楽しみください」
濃艶なポーズを晒す暁子の女体に差し招いた。
「いや、ここでは落ち着かん。連れて行くぞ!」
さらに
「これ、お前ら!ワシの妻を虐めるでない!」
二人は慌てて暁子を押さえつけている手を放した。
(つ、妻ッ!・・・・・?)
男たちは顔を見合わせた。
「誰か羽織るものを貸してやれ!こんな姿では可愛そうじゃ」
妙子がバスロープを掛けてやった。
「ワッハッハハハ!さあ暁子さん、付いてきなさい」
 組長の顔からは女を虐め、嬲り、弄ぶことに喜びを感じる嗜虐者の表情は完全に消えていた。今はまさに好々爺のそれだ。
 一方の暁子。
(廉を救うことはできた。でも私の運命は・・・)
絶望に目の前が真っ暗になった。しかし暗闇ばかりではない。何しろ女の悦びを知った32歳の人妻だ。理性ではどうすることもできない子宮の疼きを感じざるを得ない。不安と期待の入り混じった瞳を、組長に向けていた。

 地下室は重苦しい空気に包まれていた。
(愛する人を守るためには、あんな拷問にも耐えられるものだろうか?)
家族愛を知らずに育った3人には理解できない。
(仕事にプライドを持つってどういうことだろう?)
恐喝や薬物の密売、売春の斡旋に誇りなどあろうはずがない。そもそも堂々と人に言える職業ではないのだ。
 真っ先に口を開いたのは妙子だ。
「アタイはもうここには住めないね」
組長の身の回りの世話は暁子がするだろう。当然妙子の出番はない。
「両親の墓参りでも行ってくるよ。さんざ迷惑かけたからね」
そして
「サブちゃんはどうするの?」
「オレっすか?・・・・・。実は結婚したいコレがいるんすよ」
小指を立ててみせた。
「オレがヤクザ物と知らなくて・・・。トラックの運ちゃんやってることになってるんです」
「そう・・・。それならなおさら堅気にならないと。大丈夫よ。ああみえて組長、けっこう面倒見いいから」
 改正暴対法が施行されて数年。公安当局の監視と取り締まりによって、組織も弱体化している。直罰規定によって即逮捕される仲間を何人も見てきた。
 また若気の至りで彫り物を入れたものの、後悔している組員も多い。何しろ子供と一緒にプールにも行けないし、家族旅行も楽しめないのだ。
「彼女のためにも、生まれて来る子供のためにもね」
 妙子からもサディスティックな表情は消えていた。母親が我が子を包み込むように、優しくサブローを見つめていた。
「剛ちゃんはどうするの?このままでいいとは思ってないでしょ?」
「もちろん・・・。でもオレに何が出来るんです?オレはこの世界しか知らないんです。この世界で生きていくしかないんです・・・」
誰も答えなかった。いや、答えられなかった。みなじっと足元を見つめているだけだ。
 さらに剛田は続けた。
「暁子はオレの初恋の女なんです・・・。その女にオレはとんでもないことをしてしまった・・・」
 泣いていた。15年前母親が亡くなって以来の涙だ。
「ね、姉さん、オ、オレは・・・オレは・・・」
妙子の胸に顔を埋めていた。そんな剛田を、女は優しく抱きしめた。
「組長は暁子にぞっこんだからね。ここでの暮らしも悪くないよ。大事に扱われるし、何不自由ない生活も保障されるしね」
そう思いたかった。そう信じたかった。

「あの頃はプロ野球選手になるのが夢だったんだ」
一語一語を噛みしめながら、剛田が語り始めた。
「泥だらけになって白球を追っていた。努力すれば夢は叶うと信じていたんだ」
感慨深げに男が言った。
「あの頃に戻るのは無理でも、野球に係る何かがしたいんだ!」
野球を語る剛田の目は、少年のように輝いていた。
「子供たちに野球を教えるのって素敵じゃない!」
妙子の声は温かみに溢れていた。だが剛田にとっては不安のほうが大きい。
(こんなオレを世間は受け入れてくれるだろうか)
「大丈夫よ。真面目に働いていればみんな認めてくれるから」
剛田の胸中を察したかのように、妙子が言った。

 三日後、廉は自宅近くの公園で保護された。だが暁子の行方は依然として知られることはなかった。暁子をよく知る人物が、似た女性を見たと噂になったこともあった。だが親子ほども歳が離れた老人と仲睦まじく買い物をするその姿に、だれも本人だとは思わなかった。


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