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Overtake goodbye
【姉弟相姦 官能小説】

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A-10

 「さあ、着いたぞ。」
 アパートに着いたのは、深夜一時半近く。長岡を抱きかかえながら部屋までの階段を上がり、入口のドアを開けた。
 「よっと。」
 一端、彼女を降ろし、部屋の明かりを点けて奥の寝室に布団を敷き、再び抱きかかえた。
 「思った以上に……。重労働だ。」
 敷布団の上に彼女を降ろすと、俺は、タンスの一番下の引き出しを開けた。そこには、亜紀の部屋着が数着、あの日以来、置いたままになってる。
 こうして間近に見るのも、あの日以来だ。
 「これで、いいだろ。」
 取り出したのは、白地に水色のボーダー。亜紀がよく着ていたヤツだ。
 「長岡さん、ちょっと起きてくれ。」
 「う……んんっ」
 長岡の頬を軽く叩く。脱力しきった人間を一人で着替えさせるのはとても困難で、多少なりの意識がないとスムーズにいかない。
 何度か繰り返すうちに、長岡は、ようやく目を開いてくれた。
 「ここ……。どこ?」
 「俺のアパートだよ。眠ってしまって起きそうに無いから、ここに運んだんだ。」
 未だ、意識朦朧としているのか、彼女はこちらの声に対する反応は薄く、「お水ちょうだい。」と繰り返すばかり。俺はキッチンへと発ち、冷蔵庫からスポーツドリンクのボトルを取り出すと、彼女に手渡した。
 「とにかく、そのまま寝ちゃ服がシワになっちまう。こっちに着替えて、服はハンガーに吊るしておこう。」
 長岡は、ボトルを半分ほど飲むと、一心地着いたのか、「フーッ。」と大きく息を吐き、こちらを見た。
 「ごめん。迷惑かけちゃって。」
 「迷惑なんて思ってないよ。友達なんだから。」
 「友達。ともだちか……。いい響きね。」
 そう言った長岡は二度、三度と頷くと、再びボトルを口に運んだ。
 (何か、不味いことを言ったかな?)
 俺が“友達”と口にした途端、彼女の表情が曇ったように見えた。
 「──ねえ、和哉。」
 長岡は、空になったボトルを眺めながら、おもむろに俺の名を口にした。
 「なんだい?」
 「着替えるの、手伝ってくれる?」
 「えっ?」
 互いの視線が交錯した。その美しい瞳が、俺の心を掴まえて離さない。
 「おまえ……。」
 「ほら、はやく。手が痺れて上手く動かないのよ。」
 その目に引き寄せられるように、俺は彼女の前に跪き、ブラウスのボタンを一つ、また一つとはずしていく。胸元の膨らみがあらわになる。耳許で艶かしい吐息が鳴った。
 「こっちも、外して。」
 言われるまま、ブラジャーのホックに手を掛ける。乳房とともに、成熟した女の匂いが俺の鼻腔に入り、脳を侵食していく。
 鼓動は一気に大きくなり、血が逆流しそうなほどの興奮が全身を駆けめぐる。
 「和哉……。」
 俺達は、どちらからともなく抱擁し、唇を重ていた。
 「んん!……うん。」
 最早、理性など欠片ほども存在しない。
 俺は一糸まとわぬ姿となり、いきり勃つ“雄の部分”を長岡に見せ付けた。
 彼女は、それを口唇にふくみ、愛し気にしゃぶっている。俺も彼女の熱く濡れた“雌の部分”を舌で責めたてた。
 「ねえ……。もう。」
 俺達は、雄雌のケモノのように、互いの身体をむさぼった。明日の事や仕事の事など頭の片隅にさえない。唯、欲望の焔(ほのお)が消え去るまで彼女を抱いていた。





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