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Overtake goodbye
【姉弟相姦 官能小説】

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A-9

 日付がちょうど変わった頃、俺と長岡は三軒目の店を後にした。
 二軒目はカラオケ、三軒目はショット・バーへと繰り出したのだが、既に、一軒目のワインで酔っていたのか、長岡はとてもご機嫌で、歌うほどに呑むほどに饒舌になった。
 「ほら、和哉も歌ってよ!」
 「俺はいいよ。最近の業者は知らないし、下手だから。」
 「だったら、これ一緒に歌おう!これなら知ってるでしょ。」
 忘れようにも忘れられない、掛かった曲は、小学校の合唱コンクールで課題となった曲だった。
 「ほらっ!」
 長岡は満面の笑みをこちらに向け、マイクを差し出す。俺は「仕方ない。」と、言い訳を一つしてから、マイクを受け取った。
 「何よ!全然、下手じゃないわよ。」
 確か、二十年以上前に流行ったドラマの主題歌だと記憶している。何故、そんな歌が課題に選ばれたのか不明だが、後に、俺の母親が歌い手のファンという事を知って、母親と同世代が多数いた先生達の好みだったのだろう。
 あの頃は、歌詞の意味なんか気にも止めず、先生の命じるままに歌ったものだが、今、こうして改めて歌ってみると、愛だの二人の心などと、何とも大人びた曲だと思う。
 しかも、これは恋人同士の別れ歌である。今なら、PTAや父母会のクレームが大挙し、決して実現なんかしないだろう。
 曲が終わると、長岡が拍手をくれた。
 「とっても良かったわ!」
 営業部の酒席で、俺がカラオケを進められるのは稀にしかなく、故に、自分の歌唱力がどの程度かは把握しているつもりだ。が、小学生の頃、ずいぶんと練習した曲を存分に歌ったおかげか、何とも言えない高揚感が胸の中で涌いていた。
 「久々にこの歌って、何だかスッキリしたよ。」
 「私もよ。こういう時、共通の話題が有る同窓生は良いわよね。」
 「まったくだ。」
 「じゃあ、もうちょっと親交を暖めましょう!」
 
 それから一時間余り──。バーを出たところで二人共、ずいぶんと酔っていた。
 「通りに出て、タクシーを拾うか。」
 長岡に目を向けると、店を出たところでしゃがみ込んでいた。既に、バーに到着した時から呂律が回らず、足取りも怪しかった状態なのに、更にジン・ライムを数杯。明日は、完全にハングオーバーだろう。
 「ほら、立って。そこの通りに出てタクシー拾うから。」
 「ん〜、もう立てない。」
 「まったく。ほら!」
 彼女を何とか立たせようと抱え起こすが、ふにゃふにゃに脱力した状態で、全く立とうとしない。これでは通りはおろか、十メートルも前に進めない。
 (仕方ないな。)
 俺は立たせるのを諦め、おぶって連れて行く事にした。
 「おぶってやるから、背中に乗れ。」
 俺の言葉を待ってたかのように、彼女は幼児のように「あい!」と、言って背中に乗ってきた。
 スカート姿で抱えるのは少々、気が引けたが、そうも言ってられない。長めのスカートだった事が、せめてもの救いと言うものだ。
 脱力した身体が背中にのし掛かる。その重さは思想像以上だった。
 (思ってたより、結構あるんだな。)
 背中や両腕を通して、長岡の柔らかい感触が判る。痩せ柄な印象を持っていたが、意外にもグラマラスな触感が伝わってきた。
 (痩せっぽちだったから、そう思い込んでたのかな。)
 彼女の身体の暖かさと共に、女性特有の甘い匂いと汗ばんだ臭いを感じると、俺の“雄の部分”が頭をもたげた。
 (こんな状況下で……。俺は痴れ者か?)

 こんな状況下だからかも知れない──。ここ最近の禁欲的な生活の上、女性とのセックスなど、あの日以来、失われたままだ。
 素面なら意識することさえ無いが、アルコールによって多少なりとも理性が麻痺した今の俺に、この状況で“そうなる”のは不可抗力だろう。
 「な、何とかたどり着いたぜ……。」
 数十メートルの距離を、女性一人、担いで歩き、ようやく通りに着いた頃には、息は上がり、身体は熱を帯びていた。
 「とにかく、タクシーを拾わないと。」
 通りに目をやると、ちょうど数台のタクシーが客待ちの状態で停まっているではないか。俺は先頭のタクシーに乗り込むと、長岡を起こそうと身体を揺すった。
 「長岡、起きてくれ!自宅の場所はどこなんだよ。」
 三度、そう呼んだが、長岡は一向に起きる気配もなく、バックシートに身体を預け、荒い寝息を立てている。
 (しょうがないな。)
 不本意ではあるが、この状況では致し方ない。俺は、自宅アパートに長岡を連れて帰ることにした。
 (彼女を布団に寝かして、俺はソファーで毛布にくるまればいい。)
 幸い、冷え込む季節ではない。それにパジャマ替わりの部屋着も、亜紀の物がタンスに仕舞われたままだ。
 (とにかく、早目に起きて、彼女を自宅に送り届けないと。)
 深夜──。俺達はようやく、帰路についた。
 心を身構えること無く、大いに呑み、語り、笑って楽しんだのは、何時以来の事だろうか?
 何より、長岡莉穂との十八年間の隔たりが、今夜で一気に解消されたように思えた事が、とても嬉しかった。





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